今年も水曜から始まりました、新春恒例「阪神の有名駅弁と諸国うまいもんまつり」。
阪神百貨店梅田店が改装工事に入ってからは、特に輸送駅弁の品揃えが乏しくなって、なかなかこれを買いたい!と思うような駅弁に出会うことが少なくなりましたが、今年も懲りずに買ってきましたよ。
何故か、今年は折尾駅で立売をされている方が会場に出張されていました(笑)。
まず今年のトップバッターは、昭和35年から売られている松山駅の老舗駅弁、鈴木弁当店の「醤油めし」です。
パッケージには伊予弁が番付表のように並べられており、ユニークかつ俳味がありますね~。
醤油めしとは、愛媛の郷土料理である濃口醤油を使った炊き込みご飯だそうですが、実際に食べてみるとそんなに醤油辛さは感じられず、松山あげ、ニンジン、こんにゃく、ごぼうといった素朴な具でありながら、とても穏やかでふくよかな味わい。
その上には椎茸、金糸玉子、山菜、鶏肉、レンコン、筍、サクランボ、赤かぶの甘酢漬けが乗っていて、上には里芋、切り干し大根、高野豆腐の煮物が入っています。
ご飯も煮物も、調味料のしつこい旨味はほとんど感じられず、とても実直・丁寧に作られている事が分かります。さらに驚いたのは鶏肉の味が濃くて非常に美味しい事。これで800円は十二分に納得できるお値段です。
温かい弁当は七難を隠すじゃないですが、冷たい弁当だからこそ料理のクォリティがはっきり分かってしまうものです。コンビニ弁当やほか弁とかは、冷えたらとても食えたものじゃないですからね・・・
かなりの昔、若い時に一度この駅弁を食べた記憶はあり、当時はそれほど美味しいとは思わなかったのですが、年を食った今になってやっとその良さが実感できたような気がします。
最近は和牛とか海鮮を売りにした駅弁が席巻しつつある現状ですが、ちゃんと地元の食材を使って心を込めて調理し、弁当箱の隅々まで気を配った、こんな素晴らしい弁当がまだ残っている限り、駅弁大会通いはやめられそうに無いですな。どうもご馳走様!
コメント