まだ私が小さかったころ、父親に美味しいカレーがあると言われて連れて行ってもらったところ、家で食べるカレーと全然違い、「ジャワ」という不思議な店名のせいもあって、何か魔法をかけられたかのような気分になった事を覚えています。
そのジャワも30年ぐらい前に閉店してしまい、その時はもう京都を離れていたので味を確かめる機会は失われてしまいました。
しかしある時どっかの情報で、かつてジャワで働いていた人が山科で店を開いていて、そこでジャワのカレーが食べられるという話を聞き、ずっとチャンスを伺っておりました。
でも山科に行く用事なんかそうそう無く、半分諦めていたところ、そういや最近は遺品整理で京都までちょくちょく車で行ってるので、そのついでに行けばええやないのとひらめきました。
場所は幹線道路から外れた住宅地で、壁に貼り付けられた店名と「営業中」の札が無ければ、それと気づかないぐらいにごくごく普通の家です。つーか、完全に一見客を拒否していますな(^_^;)。しかし、一歩店内に入れば長い木のカウンターが伸びる落ち着いた空間になっています。
店の売りはステーキを中心とした肉メニューで、予約必須と書いてあったのでランチでも一応予約を入れてみたのですが、入店して10分後には満席で断られている人がいたので驚きました。
他のお客さんが、ステーキ重やらコースやらを頼んでいる中で、私1人だけがビーフカレー(笑)。当然、マスターにチェックされてしまったので、正直にジャワのカレーがまた食べたくてやって来ましたと白状。
まず漬物とサラダ。写真を忘れたけど漬物は茄子、カブ、たくあんなど彩りが美しいです。サラダはヨーグルト風味のドレッシングで爽やかな美味しさ。
そして昔風にカレーポットに入ったビーフカレーが登場!
さて久々に対面したジャワのカレーは、思ったよりも小麦粉のルーによるとろみが付いていて、スパイスはカレー粉がベース。そこにチャツネと思われる独特の甘酸っぱさがあって、トータルではオーソドックスな日本カレー屋さんのカレーという感じ。ステーキが本業だけあって、さすが牛肉はホロホロととても柔らかいです。
正直なところ、ちょっと自分の中で美化され過ぎていたところはあったかもしれませんね。でも3~40年前当時の京都にあっては、香味野菜やチャツネを使ったカレーが画期的だった事は理解できます。
食後にはコーヒーがサービスで付くのですが、これもシュガーポットとクリーム入れが添えられて、昭和の懐かしい雰囲気がプンプンします。
値段は1080円と、カレー1杯の値段にしては張りますが、何とご飯もルーもおかわり可能、漬物、サラダ、コーヒーまで付いてこの値段は十分納得できます。次回は是非自慢の肉メニューをいただきたいものです。どうもご馳走様!
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