かつて、たこ焼きにタコが入るようになった昭和初期以前は、こんにゃくやスジ肉を入れたラジオ焼きがオヤツとして親しまれていたそうです。
そのラジオ焼きが醤油味だったのを受け継ぎ、昭和30年ぐらいにソースがかけられるようになるまでは、大阪のたこ焼きは醤油味で何もかけずに食べるのが当たり前だったようです。
醤油味の付け方には、元祖たこ焼きで知られる会津屋のように醤油を最初から生地に混ぜておく方式と、焼きながら醤油を直接注ぐ方式の2種類があり、後者のスタイルは昔の家庭で良く作られていたようですが、今やすっかり絶滅しつつあると言えます。
その貴重なスタイルを今に受け継いでおられるのが、JR鴫野駅の南側にある、シャッター街となりつつある南鴫野商店街でポツンと営業されている「かおり」さん。
実はこちらの近所に私の親戚があって、小さい頃からオヤツにと良く買って来てもらったのを覚えています。その時から味はほとんど変わっておらず、まさに昭和の味がそのまま残っている文化遺産だと言えるでしょう。
10個300円のたこ焼きは、大ぶりのたことネギ、しょうが、天かすが入っており、小麦粉多めでモチモチした生地の、醤油を注いで焼いた味付けのまだら具合が何とも懐かしく、オッサンにはたまらない味ですね~。
そしてこちらも昔から馴染んで来た洋食焼きスタイルのお好み焼き。
以前はチクワの輪切り、キャベツ、天かす、ショウガ入りで120円でしたが、今は豚肉入りがデフォルトになって1枚150円。それでも食べごたえがしっかりあって激安です。
今となっては極めて貴重な、大阪の昔の味を変わらず受け継ぐたこ焼き。ずっと変わらず営業を続けていただきたいところです。どうもご馳走様!
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