京都ベタ焼きの元祖?「本多」@東九条

お好み焼き・焼きそば
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JR京都駅の東隣から十条通まで伸びる一帯は、崇仁地区&東九条(トンク)と呼ばれるエリアで、昔は高瀬川沿いに不法占拠のバラックが立ち並び、住所が無い「ゼロ番地」と呼ばれて一般の京都人にとっては決して立ち寄ってはいけないエリアとされていました。

しかし昭和40年代から50年代にかけて京都市による住宅改良事業が行われ、今では川沿いに若干の名残は残っていますが、いたって普通の住宅街になってしまいました。

その再開発から既に50年、初期に建てられた市営住宅の老朽化が進んで崇仁地区の一部団地が取り壊され、そこに京都市立芸術大学が移転する事が決定されました。これでまた京都の時計が一つ進む事になるわけで、いろいろ感慨深いものがありますなあ。

取り壊された団地には「まんぼ焼き」で有名なお好み焼きの「山本まんぼ」やカメちゃんといった名店があったのですが、一部は塩小路通の北側、新福菜館が面した通りに移転したようですが、カメちゃんは残念ながら閉店したようで、B級グルメ好きにとっては残念な事になっています。

そんなわけで、久々にこの地区ならではの「ベタ焼き」が食べたくなって、東九条地区にある老舗の「本多」へお邪魔しました。

店はかなり年季が入った住宅で、お好み焼きが焼かれるカウンターの鉄板は周り1/3ぐらいがこびりついて盛り上がり、かろうじて残ったスペースで焼いている状況で、再開発よりずっと前からこのままの姿で営業を続けておられる事は間違い有りません。

お世辞にも清潔な店とは言えませんが(^_^;)、地元や観光客っぽいグループで待ち客が出る人気ぶりです。

メニューはお好み焼きと焼きそば、具の組み合わせがいくつか。まんぼ焼きやホソ入りはメニューにありません。ホルモンは東九条に多く住んでいた在日朝鮮人の食文化だったので、それが交わる前のメニュー構成なんでしょう。

私はスジ玉のお好み焼きにして、中に入れる焼きそばは1玉でお願いしました。飲み物は冷蔵庫から好きなものを取り出します。

目の前で焼いてもらったので作り方を見ていたのですが、まずシャバシャバの水溶き小麦粉を丸く引き、そこにざく切りのキャベツを載せます。カウンターが傾いているので、生地が流れて自然と楕円形になります(笑)。

そこに天かす、生姜、ちくわ、イカの切り身、牛すじ、そばと乗っけて、また生地をたらり。ひっくり返して焼き上がったら鉄板に引いた卵の上に載せて、またひっくり返して出来上がり、ネギはオプションであとがけ。ソースは辛口のドロソースも選択可能で、青のりと粉カツオをかけていただきます。

作り方を見ると、神戸長田で作られている「うす焼き」とかなり似ていますが、長田と崇仁は歴史的な共通点があるので、食文化にも繋がりがあるんでしょう。

お好み焼きを食べてみると、生地と麺がパリッとクリスピーでおやつ感覚の素朴な味。大きな赤身のすじ肉がゴロゴロ入っていて、どろソースのスパイシーさと相まってビールが進みます。

京都ベタ焼きスタイルの元祖と呼ぶべきお店、まだまだ元気で営業を続けていただきたいものです。どうもご馳走様!

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