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阪神千鳥橋駅から400mほど離れたところにあり、なおかつ平日は午後9時まで、日曜は午後8時までしかやっていないという、大変に間口が狭い居酒屋だが、予約のお客と常連で毎日ぎっしり席が埋まる人気店。
その理由は圧倒的なコストパフォーマンスで、活けの刺身類が400円台から、魚介類の天ぷらが300円台からという大衆居酒屋並のお値段でありながら、分厚い切り身が並んだヨコワの刺身はトロのように脂が載っており、軽く締められた脂ノリノリの「きずし」は1cm厚の巨大な切り身が6本並び、しかもたっぷり盛られた本物のワサビが添えられている贅沢さ。
しかも、殻に身がぎっしり詰まった生牡蠣が1個130円、あっさりとした味付けのプチプチイクラがどんぶりを埋め尽くすイクラ丼が880円m甘みたっぷりで苦味一切なしの美しいウニがひと舟分まるまる乗ったウニ丼が2000円以下とは、明らかに採算がおかしいレベル。ご飯もウニやイクラが邪魔に思えるほど美味しい。
調理ものも当然バッチリで、1本分まるまる揚げられた穴子の天ぷらは肉厚でフワフワ、皿にドッサリのゲソ天はレアな火通しで驚くほど柔らかい。牛肉のタタキは見事な霜降りの和牛がおごられ、自家製の銀ダラ西京焼きは甘さを抑えた味付けと濃厚な脂が日本酒とバッチリ合って止まらない。地味な焼きおにぎりだって、中フワフワ外カリカリのビッグサイズ2個でたったの300円である。
冬瓜のしらすあんかけやハモとキュウリの酢の物、がんもどきの煮物、白和え、大ぶりで素朴な焼き野菜などはどれも200〜300円台という小鉢値段なのに、意匠に凝った美しい中皿や深鉢に盛られたファミリーサイズで出て来て、そこに紅葉型の生麩や絹さやといったあしらいまで丁寧に添えられているのだから開いた口が塞がらない。なおかつ酒の方も極めて良心的で、ビール大瓶が500円、燗酒や焼酎ワンショットが300円、旬のうすにごりなどの地酒が300円台から楽しめ、酒器もまた凝った意匠で出されるるなど、欠点が全く存在しない奇跡のようなお店である。
(13/04/19 更新)
JR阪和線南田辺駅を出てすぐのところにある、大阪を代表する居酒屋の名店。開店から8時ぐらいまではほぼ予約客で毎日満員、それ以降になるとフリでも入れるようだが、ある程度の品切れは覚悟しないといけない。
まず席に座ると、お通しではないが小鉢(350円)が進められる。これはいわゆる炊合せで、鱧の子、いたや貝、ナス、たらこなど毎回4種類ぐらいが盛られており、甘めの出汁の香り高さはもちろん、溶けるぐらいに柔らかいのにエッジをピンと立たせたかぼちゃ煮付けの技に感嘆する。名物の「さばからまぶし」はサバのきずしをおからでまぶした品で、想像よりも上品な味わいで顔がほころぶ。
旨味が濃厚なマグロ、きちんと熟成された鯛など刺し身も大変吟味されており、ゆず皮がかけられた小芋煮の香り、絶妙な火の通しのアサリの酒蒸し、淡白な中にも深みを感じる鶏団子、みょうがと紅たでのピリッとした辛味がアクセントの鯛酢の物、シャッキリとしたワケギと新鮮なイカを使ったぬたなど、どれも確かな技を感じる品ばかり。動物系は練り物だけという何のへんてつもないおでんも上品かつ深い。それでいて、煮物は200円台から、刺し身盛り合わせが700円、松茸がたっぷり入った上品な味の土瓶蒸しが600円、松茸だけが入った香り高い松茸ご飯が400円という立ち飲み程度の価格なのだから二度驚かされる。
繊細さだけでなく豪快系の品にも目を見張るものがあり、皮がパリパリになるほど強く焼かれた脂が香ばしいウナギ白焼き、焦げた玉ねぎの甘さと辛めのタレのコントラストが抜群の焼き鳥、ふっくらと焼かれた臭みの無い鶏肝、洋食屋顔負けのブリブリのエビフライ、醤油味の衣にふんわり包まれた鶏のから揚げ等、ビール派にも満足できる品が揃っている。
(15/11/27 更新)
天五中崎通商店街の西端、地下鉄中崎町駅のそばにある、正統派の大衆居酒屋。今は無き名店「天満正宗屋」の元スタッフもおられるそうだ。
メニューは当然ながら、揚げ物焼き物煮物と鍋と寿司以外はひと通りの品が揃っており、おでんは80円、枝豆などの小鉢が150円からあり、ほとんどの品が200〜400円の間にある安心価格。酒もビール大瓶が390円、チューハイが280円と安く、280円からある焼酎も普通よりはたっぷりした量が出て来てお得。
黒板にはその日の日替わりメニューがたくさん書いてあり、大きなデミソース付きのミンチカツが2個で280円だったり、「中村シェフの洋風メニュー」と銘打たれた300円そこそこのグラタンやオムレツ、ポトフ、ヒラメのムニエルなど洋風のアテも多く揃っており、豚フィレカツなどは卵そぼろとワインが効いたソースがかかっていて見た目も美しく味もオシャレである。
もちろん、刺し身や煮魚、串焼き、串カツ、惣菜などの定番モノも抜かりなく、大きなだし巻きやクリーミーなポテサラは250円だし、たっぷりの赤魚煮付けが300円、ゴーヤや赤ピーマン、しめじなど旬の品が入った野菜炒め、トロトロの白味噌どて焼き、ちゃんとダシが引かれた薄味のおでんなど、どれもこれも手作りで極めて良心的な品ばかりである。
(11/11/25 更新)
千林・森小路エリアにある、コの字型の大きく古びたカウンター席のみという、いかにも年季が入った大衆居酒屋。普通、こういう店を仕切っているのはたいてい年配のチームだったりするのだが、ここはイケメンスタッフが勢ぞろいで若々しい活気に溢れており、公式サイトは何とjpドメインである!
酒はビール大瓶が480円、焼酎が300円台といったところで普通の品揃えと値段だが、アテのほうはスタッフの若さに見合わない本格派で、丁寧な作りが美しい根菜の天ぷらが300円に、紛れも無い天然ダシがかかった大ぶりの揚げ出し豆腐が270円、分厚い豚肉と野菜がこんがり焼かれたバーベキュー焼が330円、ダシが良く効いたロールケーキのようなフンワリ出し巻が250円、アキレス腱までトロトロに煮込まれたどて焼きが280円、おでんや串焼きに至っては100円と90円という安さでありながら、ボリュームも見た目も大満足の品ばかり。
特にお薦めなのが日替わりメニューで、トロリと脂が載って絶品の金華サバの「づけ」、醤油に切り身の先っちょを浸したらさっと皿の一面に脂が広がるぐらい、トロ顔負けの脂が乗った寒ブリといった、選りすぐりの旬の刺身がおよそ500円台という値段でいただけ、冬場にはカキやタラの白子などが登場して季節感もバッチリだ。魚介類だけでなく、洋食屋顔負けの手作りハンバーグなんかも400円程度という値段でいただけるのだから圧巻である。
お客さんはほとんどが常連という感じで、〆に茶漬け(海苔410円より)はもちろん、メニューに無いおにぎりや白ご飯まで頼まれる場面が多いところも、近所の一杯&メシどころの名店として愛されている証拠であるように思う。
(10/01/13 更新)
ソース二度漬け禁止の大阪風「串カツ」ではなく、抹茶塩・ポン酢・味噌ダレ・ソースが入った皿に付けて食べる「串揚げ」を提供するお店。南巽にも同じ店名の店があって、ここ新森古市店のほうが新しいようだ。
その串揚げだが、なんと驚くことに全ての品が100円均一で、牛ヒレマスタードやキスのしそ巻き、うずらベーコン、マッシュルームチーズ、れんこんカレー詰め、オクラチーズ、たらこポテト、赤飯といった創作タイプはもちろん、季節によってはフグや牡蠣、貝柱、鮎といった高級素材まで登場するのだから驚かされる。しかもアスパラには食べやすいように細かく切り目が入れられるなど仕事が細かく、素材もしっかり吟味されていて、エビは甘くてホクホク、牡蠣は衣の中からジュースがほとばしって絶品。
各席にはまず大根とニンジンのスティック、キャベツが入った入れ物が出され、食後には口直しにカリカリとした食感が楽しい小梅の串揚げが出されるのもユニークで楽しい。ビールは生と中瓶が450円、焼酎は300円とまずまずリーズナブル。酒が飲めない人用に、ご飯と味噌汁のセット(300円)も用意されている。
(12/04/25 更新)
住所:大阪府大阪市都島区都島南通2-5-24 大阪屋シャレード京橋1F 【MAP】
定休日:不定休(月曜が多い)
08年の4月にオープンしたばかりの居酒屋。1本100円の串かつや焼酎のボトルキープなど一部を除けば、ビール中瓶や生ビール、焼酎などの酒類、そして全ての料理が300円均一の超明朗会計。
会計システムとは裏腹に料理の内容は非常にしっかりしており、カンパチの刺身はコリコリの分厚い切り身が5枚も載り、美しく大きなだし巻は調味料の影を感じさせない丁寧なダシで作られ、はじかみまで添えられるゴージャスぶり。生ダコとマグロが添えられた海鮮のカルパッチョや牛肉のたたきなど、他店では軽く500円以上はしそうな料理まで揃っている。焼酎も、一生一代や薩摩一といった普通300円ではとても飲めない銘柄が並んでいるのも素晴らしい。
店は居抜きで入ったらしく、安居酒屋とは思えないほど店内がゆったりとしているのも魅力だ。
(08/07/09 更新)
萩之茶屋商店街の南側、日雇い労働者が集まる「三角公園」のそばという場所にある、穴場の一人鍋専門店。
鍋は20種類近くのラインナップを誇り、豚肉・鶏肉のすき焼きが620円、高くて鱈ちりの900円、牡蠣が鍋から溢れている冬場の牡蠣味噌鍋が900円という激安価格。店の一押しである鶏ミンチ鍋(830円)は、にんにくの入った鶏のつみれがどんぶり鉢にみっしりと詰められて供され、牛のすき焼き(680円)は上質の肉と野菜がたっぷりで、一人鍋と言いながらも十分2人前はあるボリュームは圧巻の一言。店のオリジナルらしい、ちり鍋用ポン酢もしっかり柑橘の香りが効いていてうまい。
イカ刺しや和牛たたき一品ものもいろいろあり、超定番はまぐろのすき身。280円という価格ながら、皿に大ぶりの身が積み上げられ、これと丼ご飯があれば大盛りのマグロ丼が完成してしまうぐらいの量だ。酒はビール大瓶500円など。
(16/06/15 更新)
動物園前駅から南へ伸びる飛田本通商店街にある、あの「たつ屋」で修行された方が開いたもつ鍋店。店は周囲の雰囲気に似合わぬ木目調のカフェっぽい内装で、カウンター席とテーブル席がある。
700円のもつ鍋は、醤油ベースのあっさり甘辛出汁にアカセン、テッチャン、豚肉などのホルモンにモヤシ、ニラ、キャベツ等の野菜、豆腐、キムチが入っていて内容もボリュームも本家と遜色ないのに値段が安いのが嬉しい。卓上のニンニク入りヤンニョンジャンや韓国唐辛子を使うと味が一気にパンチアップされる。うどんやそば、ちゃんぽん麺といった締め材料も充実していて1玉100円と安い。ご飯は小サイズ150円から、卵は50円。
他にも同じ値段で鶏鍋や豚鍋という醤油出汁とポン酢で食べる水炊きが選べるメニューがあり、鶏鍋はモモ肉と白菜、水菜、モヤシ、豆腐、えのきという具で、水炊きとはいえ鶏ガラっぽいスープが使われていて意外とコクがある。無料のおろしニンニクをポン酢に加えるとガラリと指向が変わって楽しい。
サイドメニューはタコ天や鶏軟骨、生センマイなどが揃っているが、やはりたつ屋譲りのもつ煮込み(250円)を是非。肺(フワ)と小腸があっさり醤油味で煮こまれ、丁寧な下処理で全く臭みが無い。ドリンクはチューハイ、焼酎、日本酒が300円、ビール大ビンが450円とこちらもなかなかリーズナブル。
(14/05/16 更新)
もはや大阪ののんべえで名前を知らない人はいないとも言える、大正駅前の名物居酒屋。
闇市時代の香りを色濃く残す飲み屋街にある店は、中の雰囲気も戦後の昭和そのまんまで、もしゲートルを巻いた復員兵が店にいたとしても全く違和感は無いはず。そしてアテの値段ももちろん昭和で、2代目ご主人が作る甘めのダシが利いた巨大なだし巻が270円、一串で十分にボリュームがあるレンコンの肉詰めやエノキのベーコン巻といったくわ焼きが2本で220円、皿に文字通りのてんこ盛りで出されるゲソ天や椎茸のホイル焼きが320円、ケチャップマヨソースが懐かしい串カツや手羽先、鶏肉フライも2本で220円と超激安。そして、自家製マヨネーズを絡めたたっぷりした生野菜や湯豆腐も120円とは正に脱帽の一言。ビール大ビンの値段こそ500円だが、120円相当の小鉢物がお通しで付くので死角無し。
追記:現在のご主人が伝説のだし巻きを復活された。その息子さんも厨房に立たれ、3代続けて受け継がれているのは嬉しい限り。
(14/09/11 更新)
JR京橋駅南口駅を出て、大川を渡ってすぐ東に行ったところにひっそりと佇む、家族経営の居酒屋。店は一軒家を改造していて1Fがカウンター席、2Fが座敷になっていて軽い宴会も可能だ。
料理の値段は、冷奴の100円から刺し身盛り合わせが350円、最も高くてエビチリの450円と、それだけでも座り飲みとして格安なのに、恐ろしいのはさらに凄まじいボリュームがある事で、350円のメンチカツ、170円の牛すじコロッケは大人のこぶし大はある巨大な代物が2個出て来るし、400円の麻婆豆腐はラーメン用のどんぶりになみなみに入った軽く4人前分、極めつけは350円のハンバーグで、直径が男の手のひら大、さらに厚みが5cmはあって、間違いなく肉だけで400gは入っている信じられない大きさ。もちろん手作りで玉ねぎ&肉汁たっぷり、冷や汗をかきながらも最後まで美味しく食べられる。
エビと野菜の天ぷらは、300円でエビとレンコン、インゲンなどが2個ずつ入っててんこ盛り、350円の串かつはエビ2本に豚肉、15cmはあるイカ天に、白身魚フライがそのままの形で串にぶっ刺さっている。250円の春巻きはそれぞれの長さが20cmあり、手作りのエビパンは4枚で320円、野菜サラダもボウルに入って出て来る豪快さ。でも焼き鳥や豚平焼き、どて焼きなどは普通のサイズで、線引きがどこにあるのか悩んでしまう。
ビール大瓶は500円、ハイボールはジョッキに入って300円と、酒のほうはまずまず標準的な値段だなと思いきや、720ml入りの麦焼酎が1200円でボトルキープ出来るという驚きの隠し玉があり、常連は皆それで酒を楽しんでいるようだ。
(17/03/10 更新)
正宗屋と並び称される天満の激安居酒屋の雄。味は正宗屋に比べればやや落ちるものの、ボリュームはこちらの方に軍配が上がる。
ビール大瓶350円、酎ハイ260円のドリンク値段は当然として、おでんや焼鳥は1つ100円程度ながら「包丁使うのがめんどくさいんか?」と思わず聞いてみたくなるほどの大きさで、カニやブリ刺しなどの海鮮類もほぼ400円以内という素晴らしさ。そしてメニューの多さも半端じゃない。店員の愛想はお世辞にも良いとは言えないが、そこまで望むのは贅沢というもんだ。
(2004年以前のデータ)
あいりんのベッドタウンである山王地区に現れた異次元空間。表のテントには「たこ焼き・イカ焼き」と書かれてはいるが、実質的には居酒屋(?)として営まれていて、雑然かつ狭い店内には所狭しとメニュー短冊やポスター類が壁を埋め尽くしている。
メニューは、そのたこ焼きとイカ焼きはもちろんの事、お好み焼きにねぎ焼き、肉・野菜の炒め物、揚げ物、麺類、ご飯類、乾き物、果てはかき氷と非常に豊富だが、調理の前準備や下ごしらえは全くされておらず、出来合い以外は店主のモミさんがどこからか材料を探しだして、それぞれいちいち刻んでから手作りするという、ほとんど家庭料理のノリでビックリする。
調理がそういう調子な上に、ドリンクも洗い物も全てモミさんが行うので、料理をオーダーしてから出来上がるまでに30分以上かかる事もザラではあるが、ラーメンどんぶりに豆腐半丁とダシがなみなみ入った湯豆腐、ニンニクと卵で炒められた「そめすけ焼飯」が150円、肉とイカがたっぷり入った、普通に中華屋で出てくるような大きさの揚げそばが350円、モモ肉を150gは使っているであろう唐揚げが300円、もやし炒めまで付いて来る豚平焼き、ホクホクのマグロ天が200円、何故か衣を付けて揚げられた串フランクフルトに、里芋やコンニャク、ゼンマイなどが皿いっぱいに入った野菜の田舎煮が90円という有り得ないボリュームと値段で全てが許せてしまう。
その代わりと言っては何だが、ビール大瓶が460円、チューハイが300円、焼酎水割りシングルが230円、日本酒が200円と酒の値段は割りとノーマルで、逆の意味でちょっと安心させられる。
(12/10/12 更新)
夜は人影が消えるオフィス街の外れに、隠れたように佇む狭くて小さな店ながら、曜日に関わらず毎日満席になる人気を誇る店。
それもそのはず、新鮮な胸肉、コリコリの砂ずり、脂が乗ったプリプリの肝が載った「造り盛り合わせ」は他店なら3人前は出せるボリュームで1000円ポッキリという値段にまず仰天。焼鳥も、非常に丁寧な仕込みがされた背ギモ、濃厚な肉の味を感じるネギマ、食べやすく仕事がされた手羽先、じっくり脂が落されたサクサクの三角、まるでハンバーグステーキのようにジューシーなつくねと、どれもこれも感嘆すべき品揃いで、モッチリとした胸肉たたきのわさび和えにはおろしたての香り高い本ワサビが使われ、カウンターの七味や山椒(やまつ辻田製?)にも質の高いものを揃えられていて全く隙が無い。そして締めに外せないのがここの鶏飯で、濃い目に炊き上げられた鶏の旨みが詰まったご飯とコラーゲンたっぷりのスープの組み合わせは、どんなに腹が一杯でもワシワシ行かざるを得ない魔力がある。
串はほぼ120円から180円の価格帯でしっかり突き出し料も取られてしまうが、一品料理はそれぞれハーフサイズが選べるし、酒もチューハイが300円にビール中ビンが480円、量り売りのブレンド焼酎(1合あたり600円)とまずまずリーズナブルで、トータル的なコストパフォーマンスも抜群の名店だ。
(09/04/08 更新)
1本100円と120円という二度漬け禁止の安串カツ店と変わらない値段で、いわゆる「串揚げ」を提供してくれるお店。串のメニューは年間300種類以上という驚異的なバリエーションの中から、25種類程度が日替わりでラインナップされる。
当然ノーマルな牛肉や野菜といった品もあるが、やはりここの真骨頂は創作メニューの数々で、カニの身が詰まったフライの上にかに味噌が載った「カニ団子かに味噌添え」や、シャクシャクとした大根とほっこりしたブリのコントラストが面白い「ブリ大根ゆず胡椒」、ネットリした里芋に春菊の香りが利いた「春菊こいもコロッケ」など、一串の中に完成された料理が丸ごと詰まっているようで、さすがにそれぞれのボリュームは一口サイズだし、ドリンク類も大衆居酒屋よりはちと高めだけれど、それでも120円の串揚げでこれだけ楽しめるのは格安と断言せざるを得ない。
タレはレモン汁、塩、ポン酢、ソースの4種類があり、マスターが揚げた品を置いてくれる時に、串の先が刺す方向でお薦めのタレが示されるのが面白い。当然ながら、かなりの人気店なので週末は予約をしたほうが確実。
(09/03/25 更新)
鶴橋駅を出て千日前通りを少し東にいったところにある居酒屋。以前は「くにさだ」という店名だったのだが、いつの間にか旧店名である「中島屋」という屋号が復活していた。
おでんを除けばアテの価格は皆300円以上で一見するとCPがあまり良く無さそうだが、この店の看板メニューである980円の刺身盛り合わせを見ればその疑念は消し飛んでしまう。何しろ、大ぶりな皿の中に巨大なマグロ中トロのぶつ切りやエンガワ付きの平目、肉厚のイカ、そして新鮮なウニなどの鶴橋市場直送の新鮮な魚が所狭しと盛られ、この鮮度と量なら普通であれば軽く2倍の値段は取られるような代物なのだ。当然、その魚のアラをふんだんに使っているだろう大きなあさりがゴロゴロ入った赤だし(300円)やおでん(100円より)も絶品。ほとんど中トロのマグロが詰まったぶっとい鉄火巻や大きな海老の寿司(380円)もマストアイテムだ。ただしワサビは粉だし魚系以外のメニューはあまりお薦めできないが。
また、この店には11時から14時までのランチタイムに生ビールと一品で500円になるサービスがあり、一品とは言え巨大なアラ炊きもあったりしてお得感は十分だ。ビール大瓶450円。
(14/09/10 更新)
一番のお気に入りだった天満の正宗屋亡き後、各地に数多くある正宗屋の中で次の代表として挙げたいのがこのお店。
料理や酒の値段、店の活気という面では天満に劣ってはいるが、料理の質ではこちらが上回っている部分もあり、ねっとりとしたイカのウニ和えや柔らかく煮込まれたアワビ、キレのある酢味噌が利いた「ぬた」、そしてボリュームのあるどて焼きといった何でもないアテが実においしい。それでいて、おでんはじゃがいもの50円から、アテはだいたい250円〜350円前後、活きの良い刺身は550円からと正宗屋の名に恥じないリーズナブルさ。そしてメニューに運よくあれば是非頼んでおきたいのが、練り上げた鯛の子にかに味噌を重ねて固めた名物の「カステラ」。見た目の楽しさとねっとりした食感と海の香りで、思わず日本酒の杯を重ねてしまう逸品。
店内は細長くて狭い上に、何人もの店員が給仕に動き回るので落ち着かないが、真っ当なアテを安く食べたい向きにはうってつけの店だろう。ビール大瓶390円。
(08/10/22 更新)
国道25号線沿い、地下鉄玉出駅から北に少し上がったところにある1Fがオープンエアーな半屋台の焼き鳥屋。2Fは座敷になっていて、そちらにはエアコンがあるようだ。
メインの焼き鳥は何と全種類1本100円という驚異的な安さ。しかも普通の焼き鳥屋よりも1本のポーションが大きく、鶏もも肉なんざ直径5cmはあろうかというサイズに驚き、高級ダネ(?)の三角や手羽先、玉ひもといった部位まで同値段で二度驚く。焼き方は比較的強火でさっと焼く感じで、中はレア気味になっている場合が多い。西成らしく小腸やアカセンといった新鮮な牛ホルモン(こちらは150円)もある。タレはあっさりな辛口タイプで、塩もやや薄め。卓上に塩と一味、山椒があるので好みで調節が可能。
そして曜日(金曜・土曜が多い)によっては、放し飼いの地鶏である「宮崎うなま山地鶏」の刺身類が提供され、フォアグラのようにシルキーなキモ、ネットリとクリーミーなユッケなど、値段は500円前後だがその倍は取ってもおかしくない逸品揃いである。
あと、品切れが多いがサイドメニューにも特色があり、香ばしくて分厚い鶏の燻製や、たっぷりの大根おろしが嬉しい鶏皮の湯引き、マスタード入りマヨネーズと焼き鳥のタレが個性的なネギ入りオムレツといった一品物の他に、八尾の枝豆、アピオス、インカのめざめ、万願寺唐辛子、島オクラといった銘柄地野菜もあって、野菜が持つ力がシンプルに炭火で引き出されていてホクホクと滋味そのもの。酒も箕面ビールや河内ワインが揃えられていたいかにも地元志向。日本酒の地酒や焼酎(350円より)の銘柄も充実している。キリンビールは中瓶が550円。
(14/10/23 更新)
西九条の本店を中心とする大黒グループの1店。正宗屋とは違ってこちらはメニューも雰囲気もほぼ共通だ。店内は黒を貴重とした和風の空間で気持ちが良く、女性にも抵抗は無い作りだ。立ち飲みで紹介した福島店に比べ、こういった肴をじっくり楽しみたい店は座って飲むほうが合っている。
関サバ400円やマグロ中トロ580円、本マグロアラ塩焼き400円など、量はやや少なめだが良い素材をシンプルに調理した日本酒に合う海鮮メニューが非常に豊富。ただ、ワサビが粉ワサビだったり卓上の塩がアジシオだったりするのが非常に残念。50円ずつ値上げしていいので改善して欲しいところ。
(2004年以前のデータ)
ジャンジャン横丁の八重勝やてんぐなど、大阪と言えば串カツが有名なのだが、その中でもCPで特筆すべき店。
ふんわりとした口当たりの良い衣が特徴の串カツが、1本90円からという激安ぶり。まずはこの店一押しの、甘めの味噌にくるまれたとても柔らかいドテ焼きを食べつつ、何を揚げてもらうのかを決めるのが定番コース。串カツメニューの中ではイカやカキなどの海産物の串がお薦め。ただし、大型の有頭海老だけは時価(およそ800円前後)なので、頼む時は値段を確認しよう(笑)。食べた後の串は串入れに入れて後で清算する。時間が遅くなると油が古くなる時があるので早めに訪れたい。
東大阪市の長田交差点から1km弱ほど北に行ったところに弟さんがやっているら支店があり、こちらは海老が定価で800円、どて焼きが少し大きめという違いがあって面白い。
(08/04/10 更新)
住所:大阪府大阪市生野区巽北2-16-8 【MAP】
電話:06-6752-4066
北巽にあるひっそりとした商店街にある酒屋併設の居酒屋。と書くと、いかにも古びた立ち飲みをイメージするのだが、本格的なカウンターと白木の椅子があって専門店と見紛う本格的なしつらえにビックリする。
ご立派な体格のマスターと美人の奥さんとのコンビで出してくれるアテのほうも、店の見た目に負けない玄人はだしのもので、大トロと全く遜色が無いマグロの脳天肉などの刺身が400円台、殻いっぱいに身が詰まったアサリの酒蒸しが330円、カリッと揚がった大ぶりの牛ヒレひとくちカツは350円、これでもかと干しエビが入ったナスの煮付け、甘めのダシが効いたおでんは100円からと、値段は立ち飲みレベルながら、料理の質はそこらの居酒屋顔負けである。
酒の値段はどこにも書かれていないが、おそらく瓶ビールが400円程度と酒屋値段としては普通の部類だったように思う。
(12/09/14 更新)
野田阪神の交差点から、野田新橋筋商店街を進んだ少し脇にある、創業60年を誇る超レトロな大衆居酒屋。しかしコの字のカウンターはこじんまりとしていて椅子の高さに比べてカウンターが低く、なんとなく全体的にミニチュア感があるのが面白い。営業は何と朝からやっていて、夜は2代目の息子さんが腕をふるう。
料理は刺し身、焼き物、揚げ物と一通り揃っているが、意外と凝った料理がチラホラ混じっていて、タコと海苔を混ぜ込んだオムレツにおでんダシをかけた「明石焼き風オムレツ」、タラコと炙ったしらすが入ったタラコオムレツ、味噌とゴマ、青じそでアジを細かく叩いたなめろう、コーンが入ってトマトと生玉ねぎ、ジュレで食べる豚のパテ、きめ細かいコチの卵を使った煮付け、しょうが餡をかけた里芋まんじゅう、炙って出されるたらこの粕漬け、豚足は身だけをほぐしてバーナーで仕上げたり、朝引き鶏のタタキは注文からモモ肉を焼いて氷水で締めたりと、茶髪で白シャツのお兄さんが狭い厨房でコマネズミのように動いて作ってくれる。それでいて、多くの品が300円、たまに400円という値段なのだから格安である。
もちろんスタンダードな品も揃っていて、ちゃんと天つゆが付いてくるホックリしたアナゴ天やタコ天、ブリやタコなどの刺し身も新鮮、ほんのり甘めのおでんも滋味深く、白身魚のフライも冷凍じゃなくて手作りでほっこりと旨し。酒はビール大瓶が440円、焼酎が300円、チューハイが270円、酒が260円と座り飲みとしては十分リーズナブルである。
(16/08/19 更新)
天神橋筋を天六から少し北に上がったところにある、半オープンエアーの海鮮居酒屋。既にマスコミに取り上げられて大人気で、7時ぐらいには大バコの店が満員になる。
メニューはほとんど全てが魚の料理で占められ、しかも内容が毎日入れ替わるのだから凄い。天然タイやスズキ、クエ、本マグロなどの高級魚からカマス、ハタハタといったものまで30種類以上が並ぶ刺身が280円から、肉厚のキスや大海老、野菜などの天ぷらが100〜200円、サイズこそ小ぶりながら半身の金目鯛煮つけが650円と、鮮度は大黒・値段は得一レベルのクォリティには驚くばかりだ。スルメイカのワタ焼きなんかも1杯まるごと出てきて嬉しい限り。
天ぷらや煮物の調理には大雑把なところがあるし、夏場冬場の空調には全く期待できないが、新鮮な魚をたらふく食いたいという欲求にはベストの店だろう。ビールは中ビンが450円と天満価格じゃないのがちと残念。最近、新京橋商店街と堺東にも支店が出来たそうだ。
(07/11/19 更新)
天五中崎通商店街の東側にある、まさに「かどっこ」にある、昼の12時から営業している居酒屋。
まずほとんどの客がオーダーするのはお得なセット。刺身セットは、カツオ、つぶ貝、サーモンなどが日替わりで組み合わされる刺し身の盛り合わせ、ドリンク1杯、冷蔵ケースに入った惣菜類から1個で980円。かどっこセットは、ドリンクと惣菜は同じで、味噌ダレがかかったつくね串と湯豆腐、アキレスが溶けるまで煮込んだ牛すじ煮込みから1つ選んで600円で非常にお得。単品だと1皿200円の惣菜は、冬瓜と豚肉の煮物、肉団子とマカロニのサラダ、鳥肉と野菜クリーム煮、肉じゃが、ネットリしたソーセージ入りポテサラなど、どれも調理技術の確かさが感じられる品ばかりである。
他にもメニューのバリエーションは非常に豊富で、2個350円から頼める鶏南蛮は、鶏もも肉が使われ1個が超巨大。ワサビが効いた鉄火巻は良質なマグロで美味しい。280円のハムサラダは、さっぱりした味噌ドレッシングにハムどっさり、同じく280円のだし巻きは出汁たっぷりでトロトロ、300円のキノコかき揚げはサクサクネットリのコントラストが楽しい。1本100〜150円の串かつも、牛や豚は肉が大きく質は良好、エビや野菜の火の通りもピッタリである。
ドリンクは、シャリキンのホッピー(390円)や、バイスサワーやハイボールも選べるキンミヤ焼酎(300円)など、関東風のラインナップが揃っているのが特徴的。ビールは中瓶が500円と天満にしては高いが、焼酎は250円、チューハイが280円とリーズナブル。
(17/10/20 更新)
言わずと知れた大阪B級グルメのメッカ、上本町ハイハイタウンに集結する安飲み屋の中でも、そのハイブロウな屋号と33メートルと言うギネス級の長さを誇るカウンターで一際異彩を放つ、文字通りのサラリーマンの止まり木である。
しかし、そのいかにもチープな雰囲気とは裏腹に、かなり真っ当なアテを良心的な値段で出してくれる店で、ゲソや野菜盛り合わせなど250円からある天ぷらは通し揚げに(品によっては)ダシが付くし、250円の小芋煮もゆずのすりおろしが散らされていたりの芸コマぶり。きりりと歯に染みる「ぬた」や、上品に焼かれただし巻き、綺麗に盛られたポテサラもよろしい。酒もビール大ビンが400円に日本酒が200円とこちらもあくまで大衆価格だ。
(05/11/17 更新)
阪急中津駅のガード下改札すぐそばという立地、年季入りまくりの店内は結構な大箱、店員も客も全てオッサンという、絵に描いたような超昭和の大衆酒場。
メニューはこのタイプの店らしく刺し身から焼き物、揚げ物、煮物、麺飯類と何でもあるが、まずはやはりどて焼きから。串3本350円で甘さ控えめの味噌で煮こまれたトロトロのメンブレンが絶品。塩味の牛バラ肉串焼きに揚げにんにくをかけた「すじ焼き」(2本380円)、細く包丁が入ったアジのたたき(500円)、赤ウインナーとベーコンししとうが2本串に刺さったバーベキュー(380円)なんかも外せない名物。
基本的にどのメニューもボリュームがあり、サラダは卵たくさんなポテサラにトマトとハム、レタス、かいわれ、ゆでたまごが添えられる豪華さ。大根おろしが添えられたクリスピーな野菜天盛り合わせ(400円)は、ししとう、ナス、れんこん、玉ねぎ、じゃがいもが積み上げられ、ごま油で香ばしく焼かれたネギ入りのだし巻き(350円)は、キャベツ千切りの上にふわりと被されてドーム状になった威容を誇る。1本1本が食べごたえ十分な串カツ、こってりダレを絡めたゲソ焼きも外せない。
酒は酎ハイが400円、焼酎が350円から、日本酒が300円から、ビールは生中と大瓶が450円と激安ではないが、ジョッキは昔ながらの大きさで、650円の生大は今どきなかなか見られない本当の大ジョッキで出て来るのが嬉しい。焼酎のロックや水割りも中ジョッキでどーんと出て来るぞ。
(14/12/19 更新)
何しろ1週間のうちでたったの土日しか店を開けないという文字通り幻の串カツ店。
とそう聞けば、よほどのぼったくりか商売気0かのどっちかに思えるのだが、もちろんこの店は後者で、牛カツやじゃがいもが80円なのは標準的だが、新世界だと200円以上は確実に取るであろう、カキや貝柱、はも、たらこといった高級シーフードまでもが120円以下の値段なのは驚愕の一言。衣やソースはさほど洗練されてはいないが、昔の縁日屋台で売っていた串カツの味を知っている人には涙モノの懐かしさがある。近所のひげ勝に比べると、何故か串カツのみならずどて焼きも下町っぽい味わいなのが不思議だ。ビール大ビン500円。
(2004年以前のデータ)
大国町にある大阪木津卸売市場の真ん前にある居酒屋。店名には酒店とあるが、酒は売ってなくてテーブル席がある普通の居酒屋。朝が早い市場関係者という客層を反映してか、午前の3〜12時までと、午後の17〜20時半という二毛作営業になっている。
当然ながら、売りは市場で仕入れた魚介類で、アジやキス、マグロなどの刺し身は量こそ少なめだが200円台からあってどれも新鮮そのもの。300円の名物「ちょっとろ」はほぼ大トロで舌の上で溶けてしまう。クジラの刺し身や皮くじら、てっさがあるのも市場の店ならではだ。ちょっと油が古めなのが玉に瑕だが、カリッとクリスピーに揚がった小エビ入りのかき揚げや、穴子、イカの天ぷら類、ホクホクのコロッケも80円からという安さで、ガッチョや小エビの唐揚げも食べごたえがあって安い。
魚だけではなくて、鶴見橋商店街で仕入れているらしい鶏ハラミやキモ、砂ずり、ホルモンのテッチャンや赤セン、ミノといった肉系をシンプルに焼いた品(200円から)、150円でたっぷりなポテサラや煮物などの惣菜もイケる。酒はビール大瓶が390円、生中が370円、焼酎やチューハイが270円と座り飲みにしてはリーズナブルである。
(15/09/18 更新)
放出駅の北側に広がる「放出栄町商店街」の外れにあるお店。「立ち?みどんや」という店名だが、パイプ椅子があって座って飲めるようになっている。レギュラーのドリンクは生中が350円に大瓶が490円、焼酎が350円から、日本酒とチューハイ、ハイボールが300円とまずまずなお値段。
ほとんどの客がまず頼むのは、開店から21時までの「ちょい呑みセット」。良く味が染みたおでんが3品と枝豆、ドリンクがついて500円と格安。おでんが串かつ3本に変わったセットもある。そして21時からはパリッとクリスピーな鶏の唐揚げと小鉢、ドリンクのセットに変更される。
通し揚げの天ぷらも店の売りで、大ぶりのナスなど野菜が80円から、子供のゲンコツぐらいはある鶏肉が160円とリーズナブル、天ぷら盛り合わせは、ミディアムレアの海老天に、かぼちゃ、さつまいも、レンコン、ナス、エビ、ししとう、しいたけ、イワシが並ぶ豪華さで490円。単品を頼んでもちゃんと天つゆと大根おろしが添えられるのがまた嬉しい。
1品ものもバリエーション豊富で、カレー風味の大きなポテサラが210円、キムチと野菜のナムル、煮玉子、トロトロの豚角煮が盛られた品で290円、様々な野菜が入った手作り春巻きが230円、ミンチカツボールの煮込みが250円、ニンニクが効いたもやし炒めが260円、さっぱりとした小イワシの梅煮が200円、他にもとん平焼きやお好み焼き、焼きそばなど粉もん、中華そばや炒飯まであり、どれも手作りで工夫された品ばかりだ。
(17/08/16 更新)
JR京橋駅の北側へ伸びる、新京橋商店街を1筋外れたところにある居酒屋。店は奥に長いカウンターがあり、入り口付近にテーブル席もある作りになっている。カウンターの上にずらりと並んだアテはどれも100〜300円台というお手頃価格。さらに火曜日は、刺し身、惣菜、揚げ物などがだいたい50円引きの200、300円均一になるお得なサービスデーとなっている。
名物は朝引き鶏の生レバー(350円)で、プリプリで新鮮な鶏肝が大きめの皿にビッシリ並べられる凄いボリューム。三度豆やナス、玉ねぎ、芋などが入った野菜天はサックリ揚がってホクホク。350円の串かつは鶏肉、イカ、ウインナーの大きめサイズ3本、モモ肉を使った鶏天も小鉢に積み上げられてだったの200円台。ニンニクと醤油ダレで焼かれたオージービーフのステーキも400円で柔らかく食べごたえ十分。
250円の麻婆豆腐や豆もやし、あっさりした玉ひも煮はどれも皿にたっぷり盛られ、ニンニク素揚げは1個まるごと、鯨ベーコンは脂が乗って上質。豚キムチは肉とキムチがどっさり。マグロやブリなどの刺し身は、まずまずの質だが1品350円程度と安いのが嬉しい。ドリンクはビール大瓶が500円、生中が450円とそれなりだが、焼酎の300円はたっぷり濃くて割高感は感じ無い。
(17/10/06 更新)
住所:大阪府大阪市平野区平野本町2-4-15 【MAP】
電話:06-6796-1194
平野区の市街地のど真ん中に、串カツ店が3軒ほど密集しているところがあって、ここはそのエリアを代表する店と言ってもいいだろう。串カツの値段は何とほとんどの品が60円であり、牛肉や野菜はもちろんの事、小さめだけどエビやイワシ、キス、甘鯛といった海鮮でも同じ値段なのだから仰天する。まあ、全体的に鮮度を厳しく問う人にはちょっと合わないかもしれないが、値段が値段なのだから文句があるはずも無い。
中には1本200円の品もあったりするが、巨大なアスパラをベーコンでグルグル巻きにし、揚がったら4つに切ってポン酢をかけて出されるアスパラや、エビ・イカ・肉・ししとう・ウインナーが串に刺さったバーベキューといった豪快な品だったりするので、割高感は全く無い。
ソースはちょっとドロリとした不透明なタイプで、不思議なコクがあってジャンクな串カツに良く合う。もちろん、どて焼き&こんにゃくも同じ値段で、甘すぎない白味噌でトロトロに煮込まれていて、串カツの前につい何本も行ってしまう事請け合いだ。
また、鉄板焼きメニューもなにげに豊富で、細く割いて醤油マヨネーズをかけたエリンギは常時オーダーがかかる人気だし、串カツ用の山芋がたっぷり入った生地でひょうたん型に焼き上げられる、エビ・牡蠣・肉・イカ・じゃがいもがギッシリの「いぬい焼き」など、いろいろアイデアに溢れている。初老のマスターと、お母ちゃんの掛け合い漫才も楽しい、下町の雰囲気あふれる老舗である。
(12/02/01 更新)
麒麟麦酒の古いポスターや店で使っている七輪や文化なべが象徴するように、まんま昭和の匂いを感じさせる伝説の居酒屋。
店には一切メニューが無くて、周りが食べている物やカウンターにある物を頼むしかない。惣菜や煮物は総じてひなびた味わいだが、カニや刺身は新鮮そのもの。冬なら味噌ダレがかかった湯豆腐を是非。もちろんどこにも値段は書いてないが勘定は安い。ビールの大ジョッキは今時珍しいぐらいの本当の大である。常連さんによると2日に1度はあるという自家製厚揚げも外せないところ。
追記:何と店が一新されてステンレス張りの厨房になり、メニューまでもが完備されたようだ。あの空気感が無くなったのは寂しいが、内容は今まで通りだそうで一安心。
(11/03/31 更新)
まるで海の家のようなバラック風の建物が特徴的な、半屋台風海鮮居酒屋ブームの先鞭となった店。鳥取の境港から専用トラックで買い付けされるらしい海鮮を、刺身や七輪焼き、揚げ物、煮物といったさまざまな調理法で楽しめる。
値段は安いもので300円、メインは500円から1000円の価格帯とあってそれほど安くは感じないが、1000円の刺身盛はトリ貝や生ダコ、まぐろ、カンパチ、ホタテ、サーモン、イカが大皿に盛られ、イワシの天ぷらやカレイのから揚げはまるごと一匹、ホタテ焼きは大人の手のひらサイズ、そして鉄火巻きは文字通りの太巻きが1本どーんと出てくるなどボリュームがものすごく、1人で3000円もあれば腹いっぱい飲み食いできるのだから十二分なコストパフォーマンスだ。
味は全体的に大味ではあるが、4人から26人まで無料送迎のサービスがあるので、大勢でワイワイと楽しむには最適な店だろう。月曜から木曜までの17時から18時までビールとチューハイが100円になるサービスもあり。
(08/09/10 更新)
近鉄布施駅から北へ伸びる「ブランドーリふせ」商店街を歩いてすぐのところにある居酒屋。店はテーブル4つにカウンターと小ぢんまりしており、昼から地元客が詰めかけている。
瓶ビールが390円と立ち飲み以下のお値段にまず驚愕。自慢は海鮮類で、刺し身の盛り合わせ(690円)はマグロ、鯛、サーモン、シイラなどが日替わりで盛り込まれ、とても脂が載っていて新鮮。3貫セットで290円の握り寿司はどれも大ぶり。ハモの湯引き(490円)は濃厚な旨味で梅肉ダレが実に爽やか。ガッチョ(メゴチ)のから揚げは器にてんこ盛りで290円、手作りで肉厚のアジフライは2匹で250円と激安、スルメイカの塩焼き(390円)はまるまる一杯姿焼きという豪快さ。
海鮮以外もメニューは豊富で、3・5・7本セットで安くなる串カツ(100円〜)は、大きな豚肉やマグロ、野菜がじっくり揚げられ食べごたえ十分。肉豆腐は湯豆腐に甘辛く煮込んだ牛肉のしぐれ煮がどっさりで290円、大きなスジ肉がゴロゴロ入っているどて焼きが390円、マヨネーズが隠し味の卵焼きが250円、手作りで卵たっぷりのポテサラは250円。
酒はビール大瓶が390円と酒屋価格なのも嬉しい限り。日本酒、チューハイ、焼酎は290円と同様にリーズナブルだ。
(21/02/26 更新)
JR学研都市線徳庵駅の西側に沿った商店街にある居酒屋。すぐそばの人気立ち飲み屋「まさ」で働いていた方が独立された店らしい。店内は広々していて、カウンター席とテーブル席があってゆったりできる。
メニューは「まさ」譲りで海鮮物が豊富、690円の造り盛り合わせは、日替わりで例えばマグロ、鯛の炙り、サバのきずし、赤海老、イカ、サーモン、タコ、つぶ貝と載って豪華さ満点。赤海老の塩焼きは大きなエビが2尾載って480円と格安。エビとハムのピザは直径20cmはあってこれもたったの480円。
油が良いので、自家製タルタルソースがたっぷり入った大粒のカキフライ(440円)はカラッと香ばしく、鶏の唐揚げ(390円)もサクサクで実に美味しい。天ぷらの盛り合わせ(600円)は頭付きのエビ、ナス、れんこん、ピーマン、いんげん、しいたけ、魚の大葉包み超もりだくさん。
390円のだし巻きは大きくてアツアツのふわふわ、柔らかい牛ロースの串焼きは2本で350円。ひねどりのタタキはネギ、しょうが千切りと一緒にどっさり盛られて400円。390円でたっぷり2種盛りの惣菜は、自家製のスパサラ、ナスの揚げ煮、里芋の煮付け、自家製南蛮漬け、鳥の肝煮、まかない明太子など10種類以上から選ぶことが可能。
酒はビール大瓶が500円、チューハイが340円、焼酎が300円からと座り飲みにしてはリーズナブル。
(22/07/28 更新)
京橋中央商店街アーケードを北側に抜けた、都島中三商店街にある、マルシェグループ「酔虎伝」の1号店。とは言え、チェーンを連想させる部分はロゴが付いたのれんとビールグラスぐらいで、何故か中身は完全な個人経営の居酒屋。もともとは、マルシェグループの前身である酒卸売業「丸忠」の直売所だったらしい。
メニューは30種類程度とそれほど多くなく、メインは揚げ物と焼き物で、300円の焼肉は玉ねぎなどでかさ増しせず、牛バラの薄切りのみがザバッと盛られて食べごたえ十分。250円のもやし炒めも豚肉がちゃんと入っている。ちゃんと生のむき身を使ったカキフライや、新世界風にふんわり衣のヒレ肉を使ったトンカツ、クリスピーな鶏の唐揚げ、身の柔らかいイカ天と、揚げ物は250〜300円でもボリューム満点。
他にも単品がいくつかあり、湯豆腐は200円でしっかり半丁が盛られてくるし、オムレツ状に焼かれるニラ玉は250円、おでんも牛すじ、大根などどれも大ぶりで1個100円と一品物もあくまで大衆価格。ただし刺身類はあまりオススメ出来ないかな。酒のほうも、ビール大瓶が450円、チューハイが300円、焼酎割りが280円と値段は酔虎伝チェーンのメニューよりもさらに安いのは嬉しい限りである。
(17/02/23 更新)
JR桜ノ宮駅東側のガード下にある、年配の女性陣だけで切り盛りしておられる居酒屋。
メニューは刺身から煮物焼き物揚げ物鍋と非常に豊富で、アテの値段はおおよそが200円台後半からと単品ではそれほどのCP的な魅力を感じないのだが、大ぶりの刺身6品と生ビールの「おたのしみセット」が800円、冷奴半丁+小鉢の惣菜3個+海老と野菜の天ぷら6個+生ビールという、これだけで腹が一杯になる「まごころセット」が900円と、セットメニューの安さが「何か間違ってるんじゃないか?」と思わず首を傾げるぐらいに際立っている。
素材はごくありふれたものだし調理もあくまで家庭料理レベルだが、勘定と共に出される味噌汁のサービスに象徴される店の暖かみが、年配のサラリーマン諸氏を惹きつける魅力になっているのだろう。
(07/09/11 更新)
西成署前のあいりん銀座と萩之茶屋商店街が交差するあたりに新しく出来た、豚と鶏の焼き物を売りにした居酒屋。
宮崎風に炭火で焼かれる鶏のもも焼き(270円)や手羽先(1本100円)、テッポウやレバー、タン、ガツ、ハツなど豚肉のホルモンあぶり焼きが200円、その場であぶってくれる自家製チャーシューが250円と、どれも激安な割りにボリュームは十分。酒もビール大瓶が440円、チューハイが300円、薩摩白波が240円とあいりん標準価格で合格点といい事ずくめだが、豚や鶏の肉質についてはちと看板倒れな感じだし、味付けにアジシオを多用しているのも玉にキズ。
他には一品ものもそこそこあり、霧島直送の豆腐なんかは関西では味わえないしっかりした豆の風味と素朴な歯ざわりが楽しめてお薦め。
(08/11/05 更新)
住所:大阪府大阪市西成区萩之茶屋2-3-12 【MAP】
営業時間:20:00まで
萩之茶屋商店街の中ほどにある渋い雰囲気の居酒屋。公営ギャンブル放送を流す巨大なモニターが5つも置かれた店内は、いつも常連客と女将の掛け合いで賑わっている。
看板メニューは豚&かしわの水炊き、味噌鍋、牛すきと揃った鍋(350円均一)と牛肉や豚、鶏、野菜の炒め物(250円より)で、近所のなべやほどの具のボリュームはさすがに無いが、鍋は肉・野菜・うどんがバランスよくたっぷりと入っており、牛焼肉や野菜炒めも熱く焼かれた鉄板の上で野菜と赤身の薄切り肉がジュージューと音を立てた状態で出されるシズル感あふれるもので、酒を飲みながら安くたらふく食べたい人にはぴったりの店だ。
他にも冷蔵ケースに刺身などのアテがいくつか揃っており、その中でも何故かメロンの人気が高いのが面白いところ。
(08/11/12 更新)
おそらく20年以上は値段が変わっていない490円ランチで有名な店だけど、夜の居酒屋営業も実は侮れない。焼き鳥やとん平焼き、サラダといった通常の居酒屋メニューも250〜400円とリーズナブルだが、それとは別に190円メニューというものがあって、常時15種類ぐらい揃っている。
例えば豚キムチは肉こそ少なめだが量的にはしっかり、チキンカツはランチでも出ているお馴染みの品、焼きナスはまるまる一本が出てきて、小芋煮はごろっと6個分、紅しょうが天もたっぷり6枚、湯豆腐は豆腐半丁に鰹節ととろろ昆布がどっさり、ベーコンをまる1枚使ったベーコンエッグと、他の居酒屋なら余裕で倍は取るであろう内容とボリュームである。
酒も座り飲みにしては十分リーズナブルで、ビール大瓶は480円、チューハイは300円、日本酒と焼酎は280円から。焼酎はボトルキープも可能である。
(16/03/17 更新)
昔から湯豆腐が有名で、店名からして居酒屋のように思えるのだが、実質は大衆割烹。階段を上がって入店すると、白木のカウンターとテーブルはいつもお客さんでぎっしり。18時半までは予約が可能で、フリだとだいたい20時過ぎまで入れない事が多い人気店。値段はどこにも書いていないが、だいたいアテは1品1000円前後と思われる。
まず頼むべきは「炊合せ」で、甘めのダシで炊かれた小芋、かぼちゃ、さつまいも、たけのこ、絹さや、生麩など精進素材の上には、絶妙な火入れのピンク色の鴨ロースが3枚(内容は季節によって異なる)。鉢巻と呼ばれる名物の2合徳利がすぐ空いてしまう。
マグロ、イカ、鯛の刺身盛りは、顔ぶれは平凡だがそれぞれの素材がねっとりと妖艶、旨味十分。鯛のあら炊きはキリッと辛口で日本酒との相性は抜群。ワケギの酢味噌は半生プリプリの明石ダコが入って、辛子の効いた酢味噌が絶妙。
角切りの柔らかいウナギがたっぷり入った「う巻き」はトロトロで至福の味わい。カラッと固めに揚がった天ぷら盛り合わせ、サクサクのエビフライなど、揚げ物はいつも油がキレイで胃もたれとは無縁。焼鳥や鶏キモの焼き加減もバッチリ。
名物の松前寿司は1切れからオーダーが可能、肉厚でレアに浅く締めた「きずし」は単品でもいただく事が出来る。寿司は握り、巻きずしもあって、今どきの寿司屋とは異なり1つ1つのボリュームが凄い。小芋、えんどう豆など煮物は甘めの出汁でこっくりと仕上げられている。稚鮎の天ぷら、鱈の白子、鱧、松茸等、季節のメニューも豊富。
そして締めはもちろん看板メニューの湯豆腐。キリッと辛口香り高い出汁がなみなみと注がれ、添えられるのはとろろ昆布じゃなくておぼろ昆布、出汁に溶け込まないので味がくどくならず、こういうところに割烹としての矜持が感じられる。食後には熱いお茶の嬉しいサービスもある。
(23/06/15 更新)
八重勝やだるまを筆頭に新世界で猛威を奮う、山芋を使った生地にパン粉を薄くつけてカリッと揚げた串カツスタイルの元祖と言われる店。場所柄観光客らしき人は当然皆無だが、地元民だけでも空き待ちが出来るところに、この店の実力が表れている。
もちろん串カツは新世界の人気店にも全く引けを取らない内容で、しかも値段は牛串カツ80円から海老300円までとお安めなのが嬉しいところ。メニューには鳥ささみのシソ巻、ししゃものから揚げといった季節もの&創作ものも多い。ソースはあっさりとしたフルーティーなタイプで、たくさん食べても胃にもたれない軽さが特徴。白味噌が効いたどて焼きとこんにゃくも人気の品だ。最初の注文は紙に好きな串を書いて渡すシステムが独特。
(05/11/28 更新)
住所:大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-6-1 あべのキューズタウン内ViaあべのWalk1F 【MAP】
電話:06-6641-5280
営業時間:13:00-22:00
定休日:日曜
アクセス:JR、地下鉄天王寺駅を出てチンチン電車の走る阿倍野筋を南にずっと下がった西側。
阿部野再開発攻勢の中でも毅然として店を保っていたが、とうとう2011年の春にViaあべのWalk内に移転となった。玄関の扉や看板、カウンターなどは元のところからそのまま移築してきたもので、内装の雰囲気は限りなく以前と同じようにしつらえてあるが、チン電の揺れと音、昼下がりの日当たりという演出が無くなってしまったのが個人的にはとても寂しい。
しかし食べ物と飲み物については完全一致を保証。メニューは相変わらずカウンター横の黒板に細かく書かれていおり、定番は卵の皮でくるまれたプリッとしたシューマイ、さっぱりした三杯酢で軽く締められた「きずし」、トロトロとダシでゆっくり温められた湯豆腐だが、ヨコワなどの季節の刺身は新鮮だし、秋にのみ登場するマツタケの土瓶蒸しも外せない。何でもないえんどう豆の卵とじなんかも、歯ごたえを残した豆の歯ざわりと、キリッと冷えた甘めの出汁のコンビネーションが秀逸で瞠目させられる。それ以外にも黒板に達筆で書かれた数々のアテは、どれもこれも手作りで酒のあてとしては申し分ない。
酒は生ビール、瓶ビール、銘柄ものの日本酒が揃っているが、やはりここは樽から銅製の酒燗器で温められ、薄手のガラスで作られた徳利で出される、松竹海老の燗酒が気分である。
(11/05/23 更新)
JR・近鉄俊徳道近くにある串かつの店。以前はもっと駅近だったが、最近に100mほど東へと移転したようだ。白い「次郎吉」と書かれた提灯が目印で、何故かのれんは出されたり出されなかったり。
一応串カツの店ではあるが、串カツのメニューは一切無く、木の板に10種類以上の海鮮メニューが書かれているだけ。常連さんの頼み方を見ると、まずはどて焼きを頼んで、そこから海鮮、そして串カツと進むパターンのようだ。そのどて焼きのスジ肉はかなりの大ぶりで、味噌も濃厚で食べ応え十分。活ハゲの刺身は、大きめの皿に身がずらりと並べられ、小皿一杯の濃厚なキモが添えられる凄いボリューム。天然物の鯛刺身は1皿で半身、バイ貝なんかも皿にビッシリ敷き詰められる豪快ぶり。しかしワサビは本物だし、鯖のキズシなんかは昆布を贅沢に使ったマイルドな締め加減なんか絶品である。
串カツは薄めの衣で軽く揚げられ、薄切りの肉が綺麗に刺された牛カツや、美しく4匹が串に刺された小エビのから揚げ、巨大な大エビなどが常備品で、たまに立派なサイズの穴子串が出てきたりと、マスターの仕入れによって変わるようだ。揚げられる前の牛串を、生姜醤油でそのまま刺身として食べたり、衣を付けない素揚げで食べる方法があるのも面白い。
料理や酒の価格表記が全く無い上に、常時サーバーからビールやチューハイでガソリン補給しつつ、マシンガントークの片手間に(笑)調理をするマスター「てっちゃん」によって、その日のオススメ品がどんどん追加されて行くので、おそらく最終的にはどんぶり勘定で計算されているとは思うが、腹いっぱい飲んで食べても絶対に5000円は行かないし、串ものだけならもっと安く付く。
(11/08/12 更新)
日本酒とコラボした飲食店を展開している「山中酒の店」が天満にオープンした天ぷら主体の居酒屋。場所は天満市場の一角にあり、半オープンエアーのしつらえも相まってかつての八尾蒲鉾店を髣髴とさせる。が、内装は白木をメインにしたおしゃれなもので女性でもOKな雰囲気。立ち呑みと店名にはあるがスツールが置かれているのでゆっくりと座り飲みが出来る。
一応店名では天ぷらをメインに押し出しているが、以前は単品でも頼めたのだが今はセット売りが基本になってしまい、どちらかと言うと創作のアテが主力になりつつある。それでも、自然薯や茄子といった季節の野菜や、わずかなつなぎで野菜の甘みを引き出したかき揚げなど、天ぷらは相変わらず丁寧な仕事でおいしい。テーブルにはスダチ塩やカレー塩など3種の塩と、きちんとダシが香る天つゆもあってクォリティは万全。日替わりで内容が大きく変わる創作系のアテも当然手は抜かれておらず、新鮮な刺身や紀州直送の干物、珍しいマグロのなますや鶏ひき肉を山芋でくるんで香り高く揚げ出しにしたものなど、ちょっとした割烹顔負けのクォリティだ。
もちろん日本酒のほうも、王祿や秋鹿、奥播磨などマニア垂涎の銘柄が数十種類揃っており、約半合で300円台からと比較的リーズナブルにいろいろ楽しめる。基本的に調理担当の人数が少ないので、混んでいるときや大人数で押しかけるときは料理が出てくるのが遅くなるのを覚悟で。
(09/02/04 更新)
難波の千日前大通りのちょうど下を走るなんばウォークという地下街の東端、まさに地下鉄日本橋駅改札の隣にある、清酒「初霞」を製造する久保本家酒造が経営する居酒屋。
いつも朝から常連の呑み助で賑わっている人気ぶりの秘訣は、大衆酒場然とした雰囲気に似合わぬアテの味の確かさ。鶏の生ギモや焼鳥は肉の味が濃く、きずしにはしっかりと脂が乗っており、おでんや煮物のダシはあくまで白くあっさりで、「初霞」のにごり酒や純米吟醸の上品な味わいに良くマッチしている。おでんは100円と300円、一品ものは280円から500円まで、そして刺身は500円以上と決して激安ではないが、食後には気持ち良く財布からお金を出せる店だ。
(08/09/17 更新)
天満橋交差点の北東に面した場所にあるおでん屋。店内は大きなコの字型のカウンターになっており、店の人が家族総出で忙しく立ち働いている。
おでんはほとんどが1品100〜150円と大衆的な値段ながら、少し甘目のダシのバランスが非常に良く、味がしゅんだ大根、独特のもっちり感が楽しいがんもどき、ふんわりと上品な魚河岸あげやうめやきなど、どれも秀逸な品ばかりである。そして、器に添えられる辛子がビシッと辛いのも高ポイント。
そしてこの店のスペシャリテが湯豆腐と湯葉のおでんで、湯豆腐はたっぷり注がれた切れ味鋭い鰹ダシとゆずの香りが絶品。淡雪のようにとろける生湯葉のおでんも、350円という値段以上の幸福感が味わえる事請け合いである。
おでん以外にも、小鉢や焼き物、串かつ盛り合わせなどの1品料理は揃っているが、どれも400〜600円程度とお安くはなく、オーダーしてもかなり時間がかかったりするので、ここは素直におでん中心で楽しんでおくほうが吉。酒は、ビール太瓶が500円、日本酒や焼酎は400円より、チューハイは350円と居酒屋標準なお値段。
(12/03/28 更新)
住所:大阪府大阪市中央区淡路町1-3-5 【MAP】
電話:06-6209-6623
堺筋本町の北東側、静かなオフィス街にあるマスターが1人で調理されている小さな居酒屋だが、味のツボを押さえた海の幸、山の幸の料理が取り揃えられていて驚かされる。
海鮮類を中心に、脂の乗ったブリの刺し身、濃厚なまぐろユッケにマグロとアボカドのわさび和え、柔らかいヤリイカの酢味噌和え、プリッとした広島産カキフライ、臭みの無い三重のイワシに梅干しを挟んで大葉を巻いた天ぷら、フワフワの大きな米ナスに濃厚な肉味噌をかけた品など、良い素材に一手間かけた品ばかり。和だけではなくてエスニック系も秀逸で、本格的にピーナツとナンプラーが効いたパッタイ風の焼きそば、イカとニラが入った香ばしいチヂミ、ミートソースとチーズがかかったナーンもフカフカで美味。ランチにも提供されている黒豚を使ったカツとじも間違いない美味しさと隙がない。
単品の値段は400〜700円と激安ではないが、それぞれポーションが多いのでコストパフォーマンスは十分。4人以上のグループであれば、10品程度出てきて1人2500円のコース仕立てがお得(2日前の予約が必要)。プラス1500円で飲み放題にも出来る。酒は日本酒の地酒がいろいろ取り揃えられていて400円より。
(15/10/30 更新)
玉造にあったラーメン店「そのだ」が、空堀商店街の谷町筋東側に新しく作った2号店。店の作りは大きなコの字型のカウンターで、完全に大衆居酒屋としての形態になっている。とは言え、昼から営業していてミンチカツやステーキ定食、カレー、ナポリタンなど食事メニューも揃っていてターゲットは幅広い。ただ定食は単品の値段+αなので、夜のほうが感覚的にCPは高い。
一応、そのだ譲りのラーメンもあり、尾道風に背脂と液体油が浮いたあっさりかつオイリーな濃い口醤油スープに、平打のシコシコとした麺、大きな豚モモレアチャーシュー、あさり、メンマ、海苔と飲みの締めとして食べるにはもったいない充実した内容で、そのまま専門店でも十分成り立つレベル。そのラーメンの麺を使った、ナポリタンや焼きそばなんてのもあったりする。
アテの品揃えも豊富で、かっちりと硬い衣に肉汁が詰まった名物のミンチカツ(250円)、豆腐半丁に甘辛いスジ肉がどっさり乗った肉豆腐(550円)、自家製のチャーシューエッグ(400円)、パクチーとジュレがかかった蒸し鶏(350円)、クリスピーな唐揚げに辛酸っぱいネギだれがかかったユーリンチー(350円)、枝豆が入ったねっとりクリーミーなポテサラ(250円)、明太子がぎっしり詰まったオムレツ(400円)、ほんのり甘くてトロトロのレバーパテ(250円)、アジアの屋台では定番の空芯菜炒め(550円)、花椒とパクチーが効いた麻婆豆腐(650円)など、どの品もちょっとひねったアイデア、無国籍のテイストが感じられて楽しい。
酒はキンミヤ焼酎と能勢酒造のサワーを使ったレモンサワー(380円)、梅リキュールと焼酎、クラッシュアイスをグラスに詰めた「バイス」(350円)など、関東風のラインアップを置くなど凝っている。ビール大瓶は500円。
(16/10/14 更新)
「だるま」や「やっこ」などの実力派の店が並ぶ、新世界串カツ銀座の中でも異色を放つ一軒。ストーンズのグッズが飾られた店内にはロックが流れ、ここが新世界だと言う事を忘れそうになる。
「ネオ新世界スタイル」とも言うべき、薄めの衣で軽く揚げられた串カツは、牛やうずら卵の70円からと格安ながら、具によって衣をカレー風味のものにしていたり鳥の香り揚げといったメニューまであるなど、豊富なメニューのそれぞれにひねりが効いている。そして卓上には定番のウスターソースはもちろん、ケチャップや山椒塩のような調味料もあり、さらなるバリエーションが楽しめるのも嬉しい。そのせいか、非常に豊富なメニューも相まって、腰を落ち着けて何本も食べる人が他店に比べると多いようだ。ビール大瓶550円。
(2004年以前のデータ)
新世界の元祖串かつ通り、ちょうど居酒屋「酒の穴」の隣にある正統派の居酒屋。大きく細長いコの字型のカウンターが特徴的で、かつて労働者の街であった新世界の伝統を踏まえた朝方の営業時間に合わせて、昼間っから一杯やるご隠居さんで賑わっている。
アテのメインは、単品で100円からある天ぷらやフライといった揚げ物で、ホクホクのアジやイワシのフライが200円台、海老天や穴子天、野菜天盛り合わせなどでも400円台と上質でありながらリーズナブル。一品も、玉子たっぷりのポテサラ、見た目の濃さに反してあっさりしたどて焼き、しっかり目に焼かれただし巻き、上品な出汁で煮込まれたおでんなど、どれも真っ当な仕事ぶりが堪能できる。ただ、刺身類はちょっと高めかも。
冬場には湯豆腐鍋やキムチ餃子鍋といった一人鍋もラインナップに並び、580円の寄せ鍋などは海老2尾に魚、鶏肉、豆腐にシュウマイ(!)と具が盛り沢山で贅沢気分満開である。酒は、ビール大瓶が430円、チューハイが300円、日本酒が220円からとまずまずリーズナブル。
(12/02/29 更新)
地下鉄御堂筋線あびこ駅すぐの雑居ビルにある焼き鳥の超人気店。電話予約は受け付けておらず、一度来店して予約時間を書き込み、携帯番号を教えておくと席が空いた時に連絡をくれるシステムになっている。が、受付は昼過ぎに始まるため、早めに申し込まないと平気で2〜3時間待ちになってしまうので注意。
鶏の肉質はそんなに上質というわけではないが、とにかく値段の割にボリュームが物凄い。普通の店であれば、細い身が串に巻いて焼かれる「せせり」なんかは、この店だと幾重にも折られた姿で出てきて、思わず「正肉を頼んだんじゃないよ」と言いそうになってしまう。つくねも大きな団子が4つ分ほどぎっしりくっついた状態で串に刺さっており、じっくり焼かれるレンコン肉詰めは厚さが5pはある巨大さ。ただしカリカリに炙られた皮は何故か普通サイズ。
一品料理も充実していて、脂が乗ったキモ刺しやさっぱり味の鶏タタキといった定番はもちろん、ニンニクダレが効いた蒸し鶏は豪快な骨付き肉が皿に積み上がっており、牛ロースは柔らかいサイコロステーキ状の肉が100g以上は乗っかり、鶏のから揚げは子供の拳大の骨付き肉がゴロンと3個、ゴマ油でレアに焼かれた肝炙り焼は四角い皿が肝で埋まって下が見えない。鳥料理だけじゃなくて、トマトやピーマン、ナスの焼き野菜はとても甘く、自家製の厚揚げもアツアツトロトロで絶妙。
ボリュームとバランスを取っているのか、全体的に塩やタレの味付けは薄めで卓上の調味料での調節が必須。酒はビール中瓶が500円、チューハイが320円から、日本酒が500円よりと料理に比べると高めではあるが、メニュー以外にも珍しい銘柄が揃っていてマニアにはたまらないラインナップ。トータルでは1人4000円程度で十二分に満足できる。
(15/08/14 更新)
一見すると何の変哲も無い古びた飲み屋なのだが、JR玉造駅の南東すぐにある公園の脇というアクセスの良さもあってか、老若男女問わず店の前には常に空き待ちの列が出来る。
その客の目当ては何と言ってもこの店のおでん。30種類近くあるネタは大根や玉子などが90円から、高くてもすじ肉160円、ほたて170円と激安ながら、鶏ガラと昆布ベースのダシにすじ肉のコクが合わさった、あっさりしていながらも深みのある味が魅力的で、若い女性に人気が高いのもうなずける。もともとの商売なのか何故かうどん類がメニューにあって、これが客にとって格好の締めになっている。大瓶ビール500円。
(2004年以前のデータ)
野田阪神本通商店街のかなり奥まった場所にひっそり佇む、本物レトロな昭和遺産店。メニューは、メインのおでんの他には、どて焼きやたこぶつなど数種のアテがあるだけというシンプルそのもの。
店を1人で切り盛りする女将さんが付きっきりで世話をしているおでんは、ねぎまや湯葉といった品を除けばおよそ100〜150円。四角い鍋には1種類につき2個ずつぐらいしか種が入っておらず、無くなったらその都度既にある程度煮込まれている具材を足していくのがユニーク。継ぎ足しで使われているらしいダシは、見た目は相当黒いが天然のカツオだしが効いた滋味あふれる薄味で、前割りをした焼酎や日本酒がよく合う。おでんと同様に、注文ごとに温め直されるトロトロのどて焼きも絶品である。
女将さんは、ちょっと客あしらいがぶっきらぼうなところがあるが、白ネギがトロトロになったねぎまには塩が合いますよ、とアドバイスしたくれたり、種の煮え具合をお客さんに聞いてみたり、プリプリのたこぶつは注文の度に刻むなど、料理に対する真摯な姿勢が伝わって来て、大阪の下町ではあるがどこか江戸っぽい空気を感じる名店である。
(13/01/25 更新)
JR大正駅のすぐ南側にある、元は酒屋併設の角打ちだったが、改装して店内は全て居酒屋スペースになっている。料理は全てグループ客仕様でボリュームたっぷりだが、ほとんどのメニューでハーフサイズが頼めるのが嬉しい。
店の名物である、さばきたて、揚げたてのイワシフライ(450円)は、外側はカリッと揚がっているのに中が驚くほど肉厚でフワフワ、臭みも無く絶品! 店で炙られるカツオのたたき(800円)、ピカピカのきずし(550円)も素材は抜群。注文を受けてから串に刺される焼鳥は、締まった肉質で専門店顔負けで、かしわのから揚げ(550円)は醤油が効いた竜田揚げと、料理は本職に引けを取らないクォリティ。
茶色く染まったおでんは、辛そうに見えて意外にあっさりと上品。いもサラダ(380円)はマヨネーズが効いていてネットリとコクがあり、ハーフサイズでもたっぷり。焼きそば(700円)はイカ、豚、ネギ、キャベツ、生姜と具だくさん。
たっぷりの白味噌で煮込んだどて焼き(450円)はトロトロで、口の中で溶けるよう。半丁が乗った大きな湯豆腐はたったの150円。卵焼き(小400円)は小サイズでも巨大、出汁とネギが入ってホクホク絶品。ぬた(280円)は辛子が効いた酢味噌とイカ、わけぎ、薄揚げのコンビがGood。ただ串カツ(3本550円)はちょっと肉が小さく拍子抜け。
酒はビール大瓶が450円、チューハイが320円、日本酒が320円とまずまず標準的なお値段。
(20/07/21 更新)
天満エリアで新興ながら既に手堅い人気を博している食堂兼居酒屋。本店は扇町のほうにある。店内にはスポーツ新聞も置いてあっていかにも大衆食堂な雰囲気だが、清潔で女性にもそれほど抵抗は無いはず。
ビール大ビンが560円、料理メニューは380〜580円中心と絶対的な価格は安くないが、イカ刺しの上に大根おろしとマヨネーズがかかった名物の「生イカおろし」や、マヨネーズとカリカリになったちりめんじゃこの食感が楽しい「じゃこトースト」、海老を串に刺して卵でくるんだ豚平ならぬ海老平、ニューミュンヘンを思わせる骨付き鳥のから揚げなど、アイデアで一工夫された料理がずらりと並び、海鮮類も非常に新鮮でどれを頼んでも外れがなく、全体的な味の平均レベルが高い店。
他にも丼ものや麺類、ランチタイムには3品でワンコインと格安なプレートや目玉焼きまで付く巨大なトンカツ定食などが揃っており、まさしく店名のとおり、ちょっとハシゴの合間にアテで一杯ではなくて、ここ1軒でしっかり食事と酒、というパターンで行く店だろう。
(09/08/26 更新)
京橋にある超有名屋台「とよ」から独立したお店。マスターの名前が泰三さんだから泰三屋という分かりやすいネーミングだ。中は手前にカウンター、奥にテーブル席があり、カウンターでは椅子でも立ち飲みでもOKな感じになっている。
「とよ」と言えばインドマグロのトロ、ウニとイクラの漁師盛、マグロほほ肉のあぶりが代名詞だが、この店では「おひとりさまセット」としてその3つが1000円でいただける(2人用もあり)お得なセットがあって、少人数でも楽しめる配慮が嬉しい。他には日替わりで、ミルキーでとろける厚岸産のカキ(380円)や自家製なめろう、のどぐろの干物、ぐちの塩焼きといった海鮮メニューがいくつか並んでおり、品数は少なめだけど選りすぐった質の高いものが揃っている。海鮮以外の品もハイレベルで、ねぎま、ぼんじり、つくね、ずりといった焼き鳥(1本150円)は丁寧な仕事がされていて旨いし、豚平焼きの肉は分厚く、鶏のから揚げもジューシーな仕上がりだ。
全体的に料理のボリュームはそれほど多くは無いが、その分リーズナブルな値付けがされているし、少人数での飲みに使いやすい店である。酒は生中が350円、ビール大瓶が480円、日本酒が300円と、座り飲みにしてはまあまあというところだが、八海山やダバダ火振といった銘柄ものが500円以下で飲める点がポイント高し。
(10/10/13 更新)
天満市場が入っている「ぷらら天満」の南西隣にある、深夜から朝まで営業している食事処。夕方から夜までは二毛作店のイタリアン「裏ヒロヤ」として営業している事でも有名。
天満市場で仕入れた海鮮メニューは新鮮かつ豪快で、朝までに売れきれる事も多い。分厚く切られてエッジが立ったブリの刺し身は脂のノリが見事で、ポン酢をかけられたカレイのから揚げも半身まるごとのボリューム。かじるとジュースがほとばしるカキフライは大粒の牡蠣が6個も使われ、海のフォアグラ・あん肝ポン酢は大ぶりの切り身がゴロゴロ。鱈の白子はポン酢、醤油焼きなどが揃い、どれも5〜600円と鮮度とボリュームを考えれば格安。
市場関係者の食堂らしくその他のメニューももちろん充実、濃い味でビールが進む豚or牛キムチはどっさりてんこ盛りで食べごたえ満点、天ぷら盛り合わせは海老天とげそ天、ナス天、かぼちゃ天が2個ずつ、しいたけ、ししとう、万願寺唐辛子とこちらも盛りだくさん。肉鍋も柔らかい牛肉に豆腐、きのこ類、ネギ、卵などなど直径20cmはある鉄鍋に食材と甘辛出汁がぎっしり入っている。うどんなどの麺類やどんぶりもの、お茶漬けもあって、朝食がわりに訪れる人も多い。
(17/02/10 更新)
天神橋筋六丁目交差点の北西に位置する、年老いたお母さんと息子さんが営む昔ながらの角打ち。店内は簡素なテーブルやカウンターがあって、座り飲みになっている。
調理担当の息子さんが作る料理は玄人はだしの本格派。まず驚くのが牛肉ステーキで、専門店レベルの厚さ1cm以上はある柔らかい赤身肉がレアで登場して来る。ビフカツも同じくレアな揚がり具合で、ウスターとデミグラスを合わせたようなソース、練り辛子が良く合い、本職の洋食店顔負けのクォリティである。天満市場で仕入れるプリッとレアなタコ刺し、カツオのたたきはネギと生姜をその場で追加してくれて味が新鮮。巨大で白子のようにクリーミーな仙鳳趾産などの酢牡蠣やカキフライがあれば、それも是非頼みたい。
それ以外の定番も、豚天やショウガ天などの天ぷら類は1つ1つが大きくて食べごたえがあり、焼きそばは具沢山で人数分の目玉焼きがバサッと載せられ、ソーセージエッグは薄焼きのオムレツにカットしたソーセージがごろごろ埋まってて楽しい一品。あっさり上品な餃子ももちろん手造り、たっぷり盛られる自家製の古漬けきゅうりは日本酒にピッタリ。しらすおろし、ポテトサラダといった定番は冷蔵ケースの中を確認。
冬場のみ提供されるのがミニ鍋で、ミニと言うには大きい鍋の中に豚肉、薄揚げ、白菜、春菊、椎茸、豆腐、こんにゃくと具がギッシリ。そして出汁が本格的な鶏ガラスープで二度驚かされる逸品だ。
料理の値段は書かれていないが、おそらくステーキやビフカツは1500円程度、牡蠣メニューは1000円前後、それ以外のアテは200〜400円といったところか。昼間は息子さんが不在の時が多く、その時は乾き物しか頼めないので注意。
(17/11/16 更新)
京橋の西側、国道1号線沿い東野田交差点近くにある、おしゃれな焼き鳥店。
焼き鳥は単品(オーダーは2本以上)でも注文できるが、7本で1260円、10本で1680円の1本ずつ違った種類が出て来るセットをほとんどの客がまず頼んでいる。10本コースでは、ササミのワサビ焼き、ズリ、エンガワ、皮、キモ、ココロ、三角、手羽先、生姜の角切りをバラ肉で巻いた豚の生姜焼きといった品が出てきて、ボリュームは十分。小豆やなごりといった全く予想がつかない多数の部位の中で、あれば是非注文したいのが「ちょうちん」(1本300円)。いわゆる玉ひもと呼ばれる産卵前の卵と卵管にあたる部位で、卵のところがレアに焼かれて濃厚な黄身が飛び出てくる快感はこたえられない。
キモ刺しも480円という値段の割にはたっぷりとあり、同じく480円の特製味噌ドレッシングがかかったサラダも食べ応え十分。締めに5円でサービスのスープがいただけるが、コンソメを使ったような安っぽい味でちょっと興ざめ。
酒は、中ビールが450円、中瓶が500円、焼酎やチューハイが380円とまずまずのお値段。総じて素材の質や焼きの技術が抜群というわけでは無いが、雰囲気とコストパフォーマンスが両立しているという点では良質なお店だと思う。
(11/08/05 更新)
千日前と道頓堀との間という、今ではすっかり資本で脱臭された繁華街の一等地にありながら、古き良き「ミナミ」の雰囲気を色濃く残している貴重な居酒屋。
料理のメインは串カツで、いわゆる「二度漬け禁止」の新世界スタイルではなく、自分の皿に卓上のソースを入れて食べる方式。普通に薄手のカリカリした衣で、ソースも店でアレンジしていない地ソースではあるが、10cm近い長さで刺さっている牛ロースを始め、エビやキス、ベーコンで巻いたチーズといったリッチな食材でも100円という激安価格。新世界皿に盛られるキャベツも、無くなったら店員さんがその都度足してくれるし、芯の部分は取り除いてある丁寧な仕事が嬉しい。
刺し身や湯豆腐、唐揚げといった一品物も簡単なものが中心ながら多数揃っており、三叉状に揚げられているのがユニークなゲソ天250円、あっさり目で具沢山の粕汁、ホロホロに煮込まれた甘さ控えめのどて焼きがたっぷり入って350円、豆腐と鶏肉が入った甘めの出汁が美味しい「とり湯豆腐」280円など、立地を考えたら十分お得な内容である。なお、ビールは大瓶が460円、生中が430円、チューハイ、日本酒、焼酎が300円からと酒もなかなか良心的。
(13/05/16 更新)
およそ世間から隔絶された雰囲気の常連率100%の小さな居酒屋。看板には焼肉と串カツと書いてあるが、誰もそんなものは頼まず(笑)、御年80を越えるかくしゃくとしたお母ちゃんと娘さんが作る、煮物や天ぷらといった手料理を楽しんでいる。
メニューには全く値段が掲載されていないが、ある日食べたものを例にあげると、ビール大瓶とかぼちゃ1/8個は使っていそうな煮物、海老2尾と玉ねぎ、ピーマン、しょうがの野菜天6個で890円、同じくビールとたっぷりしたほたるいかの酢味噌、ネギとしょうがが入った大きな出し巻で990円という合計からすると、大瓶390円、料理は200〜400円というところか。いずれにせよ、座り飲みでこのボリューム、この値段は商売度外視と言うしかない。常連相手に撒かれるお母ちゃんの毒舌とは正反対の(笑)、大阪の良心を堪能できる店だ。
追記:残念ながら名物女将は亡くなられてしまい、今は娘さんが切り盛りされているようで、天ぷらはメニューから消えてしまったそうだ。
(12/04/18 更新)
今池本通商店街と堺筋が交わる場所の、すぐ北にある路地を東に入ってすぐのところにある古民家の軒先で食べるおでん屋。まさに昭和初期、じゃりン子チエの世界そのままの雰囲気を残す店の表にはおでんが入った丸鍋が置かれており、客はその中から好きなものを頼んで中の席や外側のカウンターらしき場所で食べるシステム。
おでんの値段は120円の梅焼き、110円の餅巾着以外は全て100円均一で、牛すじの脂が利いた甘くこってりとしたダシがいかにも労働者の街らしい風味を出している。とは言え、日雇い労働者の客ばかりと言う訳ではなく、持ち帰りで何品も買っていく近所のおばちゃん達にも大人気の店だ。
ただし、外にも表通りにも屋号が分かるものは何も無いので、店が閉まっていたら場所すら確認が不可能なので注意。ビールは大瓶が490円、小瓶が290円。
(16/02/05 更新)
新世界内に8店舗、黒門市場にも支店を持つ居酒屋、やまと屋グループの中で最も大バコな、ジャンジャン横丁にある旗艦店。
やまと屋と言えば、串カツから寿司、焼肉、果てはどじょうやすっぽん鍋に至るまで、ありとあらゆる居酒屋メニューが揃っているのが売りなのだが、値段をどういう考えで付けているのか分からないぐらい基準がバラバラなのが面白い(笑)。その中でもコストパフォーマンス的にお薦めなのは、衣は普通だけどボリュームは新世界の有名店よりもはるかに大きい串カツや、ボリュームたっぷりのニラ玉や焼きそばといった炒め物かな。海鮮や生肉系は高めだけど、日替わりで寿司が1品割引になったり、ランチタイムにはワンコインで寿司8貫に赤出汁がついたセットがあるなど、システムをうまく組み合わせればお得に食べられる。
さらに飲み物では、生中を2杯頼むと生小1杯、酒2合で1合がもらえる有名なサービスや、1500円でドリンク飲み放題のセットもあり、1軒で家族をたらふく食べさせたいファミリー客やグループ客にも使い易い万能店だ。
(09/06/24 更新)
近鉄布施駅から南に伸びるフラワーロードほんまち商店街の南端を、少し西に行った場所にある黄色い提灯が目印の、カウンター6席ほどの小さな焼き鳥屋。北巽の方にも支店があるそうだ。
焼き鳥は胸肉の80円を筆頭に、しっとりした食感のキモ、大ぶりに切られたこころ(心臓)、パリパリに香ばしく焼かれた皮、せせりなどが1本100円、ひとかたまりにまとめられた大きくフンワリしたつくねが130円、甘辛く下味が付けられたモモ肉が6個も積み上がった唐揚げが150円という激安価格。
他にもメニューは意外と豊富で、カリカリに揚げられて甘辛のタレをくぐらせた300円の手羽せんべい、ホクホクのニンニク丸揚げ、カツオ味がビシッと効いた焼きうどん、ご飯の上に肉ぎっしりの焼鶏丼(450円)、つくねと白菜、しいたけ、卵がたっぷり入って鶏ガラスープで煮込んだワンコインの鶏ちゃんこなどもイケる。焼酎は芋、麦が300円でタンブラーになみなみ、しかもかなりの濃さでお得度十分。ビール中瓶は400円。
(15/06/04 更新)
千林商店街に面した、いかにも昭和な店構えの古びた居酒屋。が、ごめんくださいと木戸をガラリ開けて・・と思ったらウイーンと開く自動ドアになっていてちょっと最初はビックリしたりする(笑)。
ビール大瓶が520円で日本酒は350円から、刺身は400〜600円、もやし炒めなどの炒め物が450円から、鶏ちりなどの鍋物は小が700円で大が1200円と、店の雰囲気からすると若干高めの値段に感じてしまうが、280円のどて焼きは軽く100gは入ってそうなてんこ盛りで、380円のヒレカツは直径5cm、厚さ1.5cmのカツが4つゴロゴロ、野菜炒めは中華の一品並の肉と野菜の量、鍋の大サイズなんかは十分大人3人がつつけるぐらいで料理はどれもかなりのボリュームがあり、トータルでは意外と安くつく。カツ丼や焼き飯、定食などのご飯物も豊富で、昼から9時までという営業時間を見ても、食堂使いをするお客さんが多いのだろう。
ただ、店の人を含めて団塊世代の常連度がほぼ100%という店らしく、良く飲んで良くしゃべりながら濃密なコミュニケーションを楽しむ、高度経済成長時代の熱気をそのまま持ち込んでいるような店なので、当然ながら店は公私の区別無い内輪話で始終うるさいし、店の大将を含めて皆スモーカーが揃っているので、そういう面での昭和的な濃さが嫌いな人には向かないので注意のこと。
(10/05/25 更新)
都島交差点の南東にある、大きなコの字型のカウンターが鎮座するザ・大衆居酒屋。中に入ると、カウンターだけじゃなく小さめの座敷があって宴会も可能になっている。
当然ながらメニューは幅広く、刺し身から煮物、揚げ物、焼き物、鍋物、ご飯物まで何でもござれ。中でもお勧めは海鮮モノで、量はほどほどだが500円以下という大衆値段の刺し身は、脂が乗った寒ブリや、旨味が詰まった活けの鯛、ピカピカのアジなど、新鮮な素材を注文からさばくのでどれもエッジがピンと立って美しい。鍬焼きにされるマグロのねぎまはゴロゴロと大ぶりで、ぷっくりと大粒でジューシーなカキフライや、小エビ天ぷらもプリプリで中華料理店顔負けの逸品。
定番のポテサラ(300円)は卵たっぷりで豊かな味わい、どて焼きは白味噌を使った正統派でホロホロと柔らかく、茶碗蒸し(380円)は鶏団子やタケノコ、銀杏が入って具だくさん、だし巻きも大きく出汁がしっかり効いている。それでいてボリュームも昭和の居酒屋らしく十二分。ただしフライものは衣が厚くて堅く、焼き鳥や鶏肝はパサつき気味、鶏ガラスープのおでんや肉じゃがは淡白で、料理には少し当たり外れがあるかな。
酒はビール大瓶が480円にチューハイが350円、日本酒は1合300円から、焼酎は350円からと座り飲みとしては平均的なお値段。銘柄や種類も料理同様幅広く、焼酎や日本酒、ワインはボトルで頼むことも可能だ。
(16/05/27 更新)
大阪市鶴見区諸口にあるダイエーグルメシティの南東にある、老夫婦が切り盛りする酒屋併設の角打ち。店内は長めのカウンターがあり、立ち飲みではなく椅子に座って飲むスタイル。客は完全に地元民100%で、営業時間も短い秘境店。
アテは手作りが多くボリュームがあり、380円の豚のネギ塩焼きは、豚肉をさっと塩焼きしてネギとポン酢で食べるビールが進む品。同価格の肉じゃがは牛肉で表面が覆い尽くされ、こってり甘辛のスジ肉煮込みは肉しか入って無くて350円。柔らかいタコの煮付けも280円という安さ。卵と野菜がたっぷり入った200円のマカロニサラダ、ポテトサラダは大きめの小鉢にぎっしり盛られ、注文から作ってくれる豚平焼きは、小麦粉を丸く伸ばした上に豚バラ、卵、ネギ、海苔が敷かれた豪華仕様で250円。卵焼きも200円で大きなアツアツが出て来る。1品100円のおでんは上品でほんのり甘い出汁が良く染みている。
酒も、ビール大瓶が430円、酒が250円、焼酎が220円、ウイスキーが160円と酒屋価格なのがまた嬉しい。
(19/07/11 更新)
鶴橋駅の北東に位置するディープな場所ながら、そこに現れたるはまごうかたなき英国風パブリックハウス。公式サイトのドメインがukなのもある意味凄いが(笑)、もちろん中身もしっかり英国で、ジョンスミスやBassのエールを始め、ギネス、キルケニー、ヒューガルテンなどの本場物ビール(1パイント800円〜)が生でいただける。スタウトやエールの泡もしっかりクリーミーで、マスターのビールに対するこだわりがビールのうまさに現れている。
で、何がB級グルメかと言えば、スコッチエッグやヨークシャープディングなどイギリス料理が全て500円のワンコインで食べられるところである。フィッシュアンドチップスなど山盛りのフライドポテトに白身魚のフライがゴロゴロしていて一人で食べると胸焼けする事確実のボリュームである。最近では不定期での提供ながら何とあのハギスまでメニューに載るようになった。自由に使える輸入物のソース類も豊富で楽しい。
(2004年以前のデータ)
酒屋のローカルコンビニに併設された、細長いスペースで営まれている立ち飲み。とは言え、空き生樽を使った椅子が置いてあって座ることが可能になっている。
店内にはところ狭しとメニューが張られていて、角打ちとしては品数はかなり豊富。冷奴や枝豆、焼き鳥、缶詰、コロッケなど出来合いや冷凍物が多いが、日替わりで肉じゃがや春雨サラダ、タコ酢といった手作りの惣菜もあり、ポテトサラダは大きめの皿に卵とハムがギッシリで、どれも値段は200〜300円台と安くて狙い目。腹減りさん用にワンコインの釜飯なんかもあって、おこげのついた本格的なものが茶碗大盛り2杯分は楽しめる。
酒は、生中が250円と非常にリーズナブルでお薦め。日本酒やウイスキー、焼酎は300円台からとまずまずのお値段。中でもチュウハイは、マンゴーやローヤルゼリー、トチオトメなど14種類も用意されているのがユニーク。
(14/01/23 更新)
JR天満駅から天神橋筋商店街を北に上がってすぐ、ちょうど天満酒蔵のすぐそばにあるカウンターのみの奥に細長い串カツ屋。半オープンエアー状態の店内は、人通りの多い商店街からまる見えでちょっと気恥ずかしさがある。
生ビールは最初の一杯が100円、そして瓶ビールも350円と酒は激安天満価格。牛からフグまで非常に幅広いバリエーションを誇る串カツは、店の雰囲気からすると意外に軽い仕上がり。ただ、串の値段は100円の野菜ものからカニ爪350円ぐらいと激安というわけではなく、腰を据えて飲み食いするというよりは、天満での飲み歩きの出だしとして軽くつまんで酒をひっかける使い方のほうが良さそうだ。おでんやどて焼きもあるが味は標準的。
(06/01/18 更新)
2010年の秋に京橋エリアで新規開店した居酒屋。店名からすると、いかにも酒屋の立ち飲みらしく見えてしまうが、実際はテーブルもある結構大バコの店だったりする。3〜4人向けのホルモン焼き盛り合わせ、刺身の盛り合わせ、おでんといった品を除けば、アテの値段は280円と380円均一。串カツやから揚げ、出し巻き、ポテサラなど一品物も豊富に揃っている。
おでんは、トロトロで大ぶりの牛スジでも100円均一で、醤油味のスッキリ出汁は調味料控えめでなかなかのもの。だから小芋などの煮物鉢もいけるのは当然。ハラミやホルモンの肉質はそこそこだけど、タレがそれぞれ良く工夫されていておいしいし、5本で380円の串カツは小ぶりながらも肉と魚が2本ずつ+玉ねぎと結構ゴージャス。それにトンカツソースにはあのヘルメスソースが使われているし、コンサルっぽい店作りながら中身は結構本格志向で好感が持てる。
酒は生ビールが380円に大瓶が430円、焼酎とチューハイが280円から、日本酒が380円と、こちらは立ち飲みレベルからするとやや高めで、品揃えももう一つなのでこれからのレベルアップに期待したいところ。
(10/12/28 更新)
表を飾る大きな赤提灯や、その日に手書きで(活)などと丸く囲んで書かれるメニューを見ても分かるとおり、あの得一グループの座り飲みバージョンがここ「得助」である。
日替わりで提供される、活け物を中心とした豊富な種類の魚介メニューがあるところや、焼酎&チューハイが200円と言う得一システムは同じだけれど、ビールは生や中瓶が350円だったり、料理の値段は300円台が中心と、立ち飲みの得一よりは全体的に値段が少しずつ高めになっている感じ。あと、特徴的なのは鍋物(430円〜680円)や釜飯(山菜以外は580円)といった品があるところで、特に小さな五徳と固形燃料を使い、客席で調理されるアツアツの釜飯は絶品。それ以外では、得一グループらしく新鮮な魚介類をシンプルに調理されたものがお薦め。焼き鳥やサラダ、鉄板焼きといった普通の居酒屋メニューは海鮮に比べると割高。
店内は広めで、カウンターやテーブル席はもちろん掘りごたつ風の座敷まで完備されていて、立ち飲みが無理な家族連れやグループ客にも、得一クォリティが楽しめるという意味では価値が高い。
(10/04/20 更新)
ダイエー古川橋店のちょうど南側裏手にある居酒屋。元は立ち飲みの営業だったようだが、今は椅子が置かれて座り飲みの店になっている。
メニューは、ぱっと見では唐揚げや卵焼き、ポテサラ、チキンカツ、チーズといったどこにでもあるような品が並んでいるのだが、その中に本格的な中華メニューがポツポツと並んでいて、これらがなかなか秀逸。タレでしっかり味付けされた自家製焼豚は溶けるように柔らかく、手羽先香味揚げはゴマ油の風味が効いており、ふんわりとした本式の衣が嬉しい豚天、酒が進むケチャップと黒胡椒が効いたクリスピーな海老マヨ、シャッキリした火通しの野菜炒めなど、どれもきっちりプロの仕事である。それでいて、小鉢類は100円より、本格中華メニューも300〜350円というお値段なのが嬉しい。
酒は、ビール大瓶が500円、生中が350円、焼酎とチューハイが250円と、飲み屋激戦区ではない地域の座り飲みにしてはまずまず割安な方か。
(13/05/30 更新)
難波中のラブホテル街の中で隠れるように佇む、夜な夜な常連のオヤジが集うザ・昭和な大衆酒場。同じ並びにはホルモンと豚足のかどやがある。
メニューは夏でもやってるおでん、刺し身、どて焼き、天ぷら、焼き鳥、炒めものと居酒屋ど真ん中のラインナップ。しかし常連のオッサン1人客が多い客層とは裏腹にボリュームが凄まじく、甘さ控えめで赤味噌を効かせた350円のどて焼きは小鉢に山盛り状態で入っており、480円の天ぷら盛り合わせなどはイワシ1匹まるまると大きなゲソ、ナス、さつまいも、ししとう、玉ねぎ、かぼちゃがてんこ盛りで1食が完結してしまうほど。串かつ盛りも玉子1個まるまると豚角切り肉の串が2本、ナス・ピーマン。ソーセージを刺した串300円の玉子焼きは実に卵が3個も入った代物だし、250円のもやし炒めはシャキシャキした食感とこってりしたタレのバランスが良い。
ただ、刺し身やきずしなどの生物系は鮮度的にいまいちだし、揚げ物の油も古いことがしばしば。おでんもボリュームはあるけど結構調味料が入っている感じで、質云々よりも安くで腹いっぱいな座り飲みを希望する人には適した店。
(14/10/10 更新)
地下鉄四つ橋線の北加賀屋駅を出てすぐのところにある、これぞ「ザ・大衆酒場」と呼びたくなるような居酒屋。店はL字型のカウンターと、狭いながらもテーブル席が2つほどある。
とにかく驚嘆すべきはメニューの数で、壁一面に張られた黒板の数々に書かれた品は確実に200品以上。刺し身、焼き物、揚げ物、寿司、鍋と何でもござれ。乾き物や出来合いで品数を水増しする店は多いが、この店に限っては当てはまらない。そしてほとんどのアテが200〜300円台で、500円を超す品は片手で数えられるほどという凄さ。
さすがにこれだけ品数があると結構当たり外れもあるが、比較的お薦めは生の海鮮メニューで、時々骨が混ざっていて手で削った事が分かるマグロの中落ちなどは300円で皿にてんこ盛り、注文を受けてから手で捌かれるイワシ刺しは新鮮だった。そして「ねぎまだし」は、カツオの天然出汁でマグロと玉ねぎがトロトロに煮こまれていて素朴ながら絶妙。
他に当たりの品としては、こんにゃくなどが入らない肉オンリーで、赤身もメンブレンも崩れるほど柔らかいどて焼きに、卵たっぷりのポテサラ、冷麺並みに具沢山の春雨サラダ、ほとんどハムでしかも肉質が良いハムサラダ、牛マメや豚キムチといった肉の炒めもの。くるっと丸めて揚げられるハムカツ、鉢のどっさりの玉ひも煮など。逆にハズレが多いのは冷凍を使った魚介の串カツや天ぷら類といったところか。酒は大瓶ビールが450円、日本酒やチューハイが250円など。
(15/09/01 更新)
阪急王子公園駅から東へ伸びる、水道筋商店街の脇にある、通りに面した半オープンエアーのカウンターのみの串カツ店。
ラードで香ばしく揚げられる串カツは衣が固めで分厚い下町タイプ。ソースは二度漬け禁止のシステムではなくて、最初から甘めでさっぱりしたフルーティなソースに漬けてからキャベツと共に皿に載って出て来るのがユニーク。
串カツの値段は80〜250円と幅広く、むっちりした海鮮のタコが80円、臭みが無いレバーが100円なのに、何故か豆腐が200円でナスが時価という謎の値付け。しかし、そのナスは串カツじゃなくて1本丸々が素揚げされて生姜醤油がかけられて出て来るし、値段も時価とはいえだいたい200円前後なのは良心的。同じく250円と高額な牡蠣も4粒串に刺さって食べごたえがあり、十分納得の値段である。酒は、ビール大瓶が530円、酒が380円、チューハイが330円とややお高め。
(16/05/13 更新)
住所:大阪府大阪市都島区東野田町3-4-15 【MAP】
電話:06-6351-8030
京橋駅東側の飲み屋街の真中にある、まさに「大衆の大衆による大衆のため」の居酒屋。昭和の時間がそのまま流れている店内は、店とともに激動の時代を生き抜いてきたであろう煮染め抜かれたおっちゃんで一杯である。
メニューには当然、煮物焼き物揚げ物刺身鍋寿司と何でも揃っている。個人的なお薦めはシンプルさがいい湯豆腐(150円)や、くわ焼きにされる鳥皮(200円)、小柱などのボリュームのある天ぷらやかき揚げ(250円前後)というところ。おでんも労働者向けに甘めだがなかなかうまい。週末の混雑日なんかは黒板の日替わりメニューが早々に売切れてしまうので注意の事。ビール大ビン450円。
(06/01/18 更新)
今や串カツを求めて観光客が大挙する新世界のど真ん中にあって、何か得体の知れない力で隔離されたかのようにひっそりとたたずむひなびた酒場。
アテは何と200円の八宝菜を始め、串カツやおでんは80円から、一品ものはハモの湯引きなんかもあってほとんどが200円と250円と言う超庶民的価格。隣は同名のお好み焼き屋で、19:45までは400円の豚玉を始めとするメニューをこちらでも頼む事が可能。味は取り立てて取り上げるものは無いけれど、全てがしみじみとした一昔前の新世界の空気を堪能できる店だ。
(05/08/29 更新)
地下鉄新森古市駅すぐのところにある、いかにも自宅のガレージを改造しましたという感じの半オープンエアーな飲み屋。夏場は冷房が無くて扇風機がブンブン回っているだけ、表には店名を示す看板などは一切無いという相当なシチュエーション。ちなみに自分のHPや自虐ネタ満載のブログもあったりする。
壁に張られたメニュー短冊はやたらとたくさんあるが、ほとんどが漬物、干物、ナゲット、チーズ、板わさといった出来合いで、メインは卓上にあるコンロを使って自分で焼く焼き物。鶏胸肉100円から、モモ肉、手羽先、豚スペアリブ、焼きレバーといろんな部位があり、一番高い牛上カルビが880円と値段も品も様々。と言うか、単に原材料費2〜3割で計算しているだけのような。
中でも特にお値打ちはたこ焼きと焼きそばで、ちょっと密度は薄いけど大玉サイズのたこ焼きは5個、焼きそばは普通に蒸し麺1玉分が入ってたったの100円。これに、100円の甲類焼酎水割り2杯を合わせれば、1000ベロならぬ400ベロである。ちなみにざるそばも普通盛りで150円というすごい値段。普通のビールもあるが、アサヒクリアの発泡酒なら中ジョッキで250円で飲めるのも嬉しい。
(12/08/16 更新)
阪神尼崎駅と出屋敷駅の間を縦に通る三和商店街の南端にある、ディープなホルモン焼きの店。店の表では大きな鉄板でホルモンが焼かれ、持ち帰りで買ったり、中で食べることが出来るようになっている。
1人前300円のホルモン焼きは、豚の肺と腸の2種類がニンニクの効いた醤油&味噌のサラリとしたタレで炒められており、ホルモンの臭みも旨みもガツンと来るパワフルさが特徴。好みに応じて一味をぶっかけていただく。店内で食べる場合は、西成の「マルフク」と同様に豆腐が入るようなプラパックに串が添えられて出て来る。持ち帰りの場合は、その場でホルモンを2個ほど串に刺して味見をさせてくれるのがユニーク。
店内で食べている人たちは西成並みの客層で、入るのにはなかなか勇気がいる感じ。酒の値段はビール大ビンが410円、日本酒が300円など。焼酎のお湯割りを頼むと、取っ手付きのカップで出て来るのが面白い。酒の他にはキムチや冷奴、刺身、焼き魚など簡単な一品料理も置いてあり、常連はホルモンよりそっちを頼んでいる事が多いようだ。
(13/02/12 更新)
近頃、天満や江坂といった繁華街に進出しつつある、串カツではなく串天ぷらを売りにした平八亭グループのチェーン店。
その串天ぷらは野菜類が1本50円、海老や豚肉といった肉・魚類が80円とかなりの戦略的な価格でボリュームもそれほど悪くない。とは言え、衣はいかにも天ぷら粉を使用しましたって感じの固くバリッとしたものだし、天つゆは調味料たっぷりの安物だけど、ビール大瓶が390円とこの界隈では比較的安めだし、食べるよりも軽く飲むという目的ならばそこそこ楽しめる店だ。ただし、刺身や煮物といった一品ものは安くない上にしょぼいので頼まないほうが無難。でも出し巻きとニラもやし炒めだけはまずまずいけたかな。
お勘定の際には、自分の座った席の後ろにかけられた伝票をレジに持っていくのを忘れずに(笑)。
(08/10/01 更新)
店の外観には以前の店と思われる「カネゼン食料品店」の看板がそのまま残り、幸福町にあるから「幸福」と名づけられたであろう工夫のない屋号が、かろうじて店の外においてある黒板の端でようやく確認できるという凄まじいお店。メニューはそれなりに揃ってはいるがほとんどが出来合いか冷凍で、マスターは日がな座って新聞を読んでいたりと、店の内容も外観を裏切らない脱力感にあふれている(笑)。
が、この店はとにかく何でも恐ろしく安い。ビール大ビンは380円、生中が250円、チューハイに至っては酒屋の立ち飲みでも見たことが無い130円という驚きの値段。これでも少し前から30円値上げしたそうだから笑えてしまう。アテのほうも、冷奴やポテトサラダの100円から始まり、魚・ゲソフライが130円、出し巻きやうどんが180円、結構たっぷりある焼きそばが250円とあいりんの難波屋もビックリの価格。正直、調理技術は自分で作ったほうがはるかにマシと呼べる代物だけど、コンビニで酒とアテを買うのとさほど変わらないコストで飲み食いできるのだから文句はあるまい。
昼も定食が450円均一とこれまた激安。
(10/06/24 更新)
住所:大阪府大阪市西成区萩之茶屋1-9-8 【MAP】
電話:06-6649-3490
あいりん地区の職安裏手あたりにある、どうにもこうにも年季が入りまくったホルモン煮込みの店。
フードメニューはホルモン煮込み(120円)と、そのホルモンが入ったうどんと中華そばが300円、白飯150円オンリー。酒は、550円と妙に高い大瓶ビールに、330円の日本酒、250円の甲類焼酎ストレートというラインナップ。そのホルモン煮込みは、ほぼフワ(肺)主体でたまにテッチャンが混ざっている様子。味付けはあっさりした醤油味で、あまり臭み取りには気を使われておらず、ネギと一味唐辛子でクセを緩和しつつ食べる感じ。
しかし、客のオッサンはだいたいが一升瓶に入った焼酎をグイグイやっていて、ホルモンすら頼まずに飲んでるだけの人も結構いたりする。今では「なべや」や「難波屋」を始めとしてあいりんも世間に開かれつつあるが、リアルディープな釜ヶ崎を味わえる貴重な店である。
(12/05/10 更新)
住所:大阪府大阪市中央区難波4-2-9 【MAP】
電話:06-6643-6623
営業時間:17:30-24:00
定休日:日祝
アクセス:地下鉄なんば駅12番出口を出て新歌舞伎座の北沿いにある道を西に行ってすぐ。
日本酒好きにとっては正に天国のような店。
とにかく十四代の大吟醸や王禄など、まず普通では手に入らないような銘酒を数十種類も常備しているのが凄い。しかも一杯500円からと値段も良心的だ。日替わりでお薦めの銘柄がホワイトボードに書かれるが、店の人に頼めば秘蔵の酒を出してくれる事もある。もちろん酒だけではなくアテの方も、するめの麹漬け(350円)を始め、チーズ豆腐やひらめやかきなどの自家製スモーク(600円)、そして旬の刺身(900円)など、日本酒との相性をとことんまで考え尽くされた品ばかりである。ただし、料理が出てくるのが非常に遅いので注文は早めに。席数が少ないので週末は早めに行きたい。
(2004年以前のデータ)
以前は天満市場の蒲鉾店の店舗営業していたが、このたび新しく専用の店舗を構えてオープン。すっかり上品で落ち着いた雰囲気の店内になった。
圧巻なのは芋焼酎(半合・度数により550円〜)のラインナップの多さで、百合や、限定品の松露、宝山芋麹全量といった銘柄物から原酒、ハナタレまで100種類以上の数があり、前日割されたものまで用意されているのは驚き以外の何物でもない。もちろんどの銘柄でもプレミア価格とは無縁である。ただ、銘柄選びは基本的に店主おまかせで、平均すれば酒類は高めなのでCPとしてはこの評価。
メインのアテである、なめらかで上品な揚げたての蒲鉾は200円からあって、以前に比べると穴子やハモなど海鮮を中に入れて揚げた品が多くなった。店主お手製のキーマカレーは、トマト味がしっかり利いた本格的な味でなかなかいける。外側の衣を練り物にしたオリジナルの辛子レンコンや、ハモ皮ときゅうりの酢の物など、ちょっとした一品もなかなか充実している。なお、店の予約は7時以降の時間帯は出来ないので注意。
(10/09/02 更新)
谷町9丁目交差点からすぐ南に下がったところにある、関西では珍しく豚の串焼きいわゆる「やきとん」をメインに据えている店。店はこじゃれた農家風の内装で、この手の店にしては女性客の割合が非常に多い。
店の看板はスペインの銘柄豚であるイベリコ豚の串焼きで、値段は1本320円からと結構なお値段だが、濃厚でコクのある脂が大変印象的でさすがのお味。が、廉価版のもち豚(1本140円より)のほうはややインパクトが薄く、今ひとつ値段に見合わないような感じを持たせるのが正直なところ。とは言え、焼きには荒塩や薄味のタレを使っていたり、芋焼酎、特に宝山はさつまから芋麹全量までを揃える豊富なラインナップを見ても、味にこだわる姿勢は感じられるだけにこれからが楽しみな店である。
(05/05/17 更新)
半世紀も前から新世界で営業していた老舗串カツ店が、2008年に八戸ノ里に移転した。こちらはカウンターに加えてテーブル席も用意されており、よりグループ客にとって使いやすくなった。
串カツは、山芋入りのふわっとした衣と、細かいパン粉であっさりフルーティな二度漬け禁止ソースにどぼんと浸して食べる、まさに新世界の王道スタイルで馴染みのある旨さ。ただ、串カツの値段は100円と150、200円と幅があり、カキと貝柱の海鮮が350円、ビール中瓶が500円と値段の高さも新世界並みで、どて焼きは1本100円だが固いアキレス腱の部分がほとんどなのが残念なところ。しかし大海老は長さ15cm&太さ3cmはある巨大サイズで、実質的に100円の牛肉串の10倍以上はある具の体積で値段が500円とは、この品だけはバーゲン値段だと言うしかない。
コストパフォーマンス的には万々歳とは言えないが、店は小奇麗・清潔で明るく、店員の対応もハキハキと活気があり、女性でも誰でも楽しめる串カツ店だと言えよう。
(09/12/08 更新)
難波の相合橋筋にある、今では貴重になった昔の”ミナミ”の空気を色濃く残す、鉄板とコテで串に刺した材料を押し付けて焼き上げる「くわ焼き」の老舗。エビ、タコ、イカ、牛、豚、野菜等のメニューがずらりと並び、値段は一串だいたい120〜240円、一番高額な穴子でも400円、ビールも大瓶が550円と店の雰囲気からすると十分リーズナブル。基本は2本セットだが、1本でもオーダー可能。
同じ中身で焼いたものと串かつにしたものが2つあるのが面白い。その中でも創作っぽい串が有名で、豚肉を薄焼き卵で包んだ「とん平」、香味野菜が入った鶏ミンチを揚げた「オランダ」、一口サイズの小さなエビパン、角切り牛ロースをベーコンで巻いた串、レンコン肉詰め、手羽先にじゃがいもを詰めたチキンポテトなど、中身も名前も個性的で楽しい。
もちろんベーシックな品も勢揃いで、タレでいただく牛タンは柔らかく、エビはシャキッと甘く新鮮、バラ肉を使用した豚焼は香ばしくカリッと、美しく切りそろえられたゲソはプリプリの歯ごたえ、大葉で巻いたキスも香ばしい。看板メニューである1本まるまる焼かれて出て来る穴子は400円と高いが、むっちりした弾力で絶品。若鶏もも唐揚げは大きくてボリューム満点だが、全体的に1串のボリュームは少なめ。
(17/06/16 更新)