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福井自動車学校のすぐ西側にある、オーナー家族が経営している瀟洒な一軒家の洋食レストラン。厨房では二代目と三代目のシェフが調理を取り仕切り、マダムがフロアを切り盛りしている。
とにかく特筆すべきは、現在の都会からは消え去ってしまった、コストと手間をかけた真面目な洋食作りを今でも実直に続けておられる事で、その代表である完成まで1ヶ月かかるドミグラスソースは、小麦粉を使わず徹底的にフォンとワインを煮詰めた漆黒のソースで、酸味、苦味、旨味のバランス、奥深さは筆舌に尽くし難い。継ぎ足しは一切行わず、毎回作りきりでクォリティを保っているところも驚異的。
そのソースを使ったとろけるようなタンシチュー、ビーフシチューは言葉を失う凄みがあり、クォリティを考えたら3000円、2500円という値段は決して高くない。同じソースを使った牛タン入りクリームコロッケ、豚肉とベシャメルソースを包んで揚げたポークベロア、ミディアムに揚げられたビフカツといったメニューが旨いのは言うまでもない。ハンバーグとオムハヤシは旨いんだけど他のメニューに比べると普通かな。
もう1つのスペシャリテは、11〜1月頭の間だけ提供される「セイコガニ」のメニュー。中でも、家族総出の作業でむいたカニの殻から取ったフォンを使ったベシャメルソースに、セイコガニの内子、外子、ミソ、身がこれでもかと入ったコロッケは、カニ以上にカニの存在感が際立つ天上の美味。グラタンも絶品だが、コロッケのほうが濃縮された旨味をさらに感じられる。
もちろん、他のメニューも全て抜かりなく、魚介類やローストビーフなどがふんだんに使われたサラダ類、滋味深い本物のコンソメスープを使ったオニオングラタンスープ(要予約)、宮崎産の上質な豚肉を使ったコストパフォーマンス抜群のポークカツ、それを使った持ち帰り用のサンドイッチなども期待を裏切らない。ただ、カレーは福井の昔風でかなり好みが別れるところ。
さらに三代目は洋食だけでなくフランス料理にも精通しておられ、料理の付け合せはフレンチ流の仕事が光り、魚のムニエルやソース・アメリケーヌを使った料理、ミラノ風カツレツ、多彩なオードブル、そして季節のフルーツを使ったシャーベット、本格的なプリン、チーズケーキ、ババロアなどデザートも常時10種類以上が用意される。ワインも良質でお手頃価格のものが取り揃えられている。とにかく今までたらふく飲み食いしても1万円も行ったことはなく、自分の家、家族経営ならではの良心的な仕事と値段は素晴らしいと言うしか無い。
(18/01/12 更新)
福井市街、福井自動車学校の東側にある、神戸のオリエンタルホテルや福井の人絹会館レストランの流れを汲む、昭和23年創業で家族代々受け継がれてきた一軒家の洋食店。
絶対に外せないのは、洋食屋の命とも言えるドミグラスソースを使ったメニュー。ブラウンルーを使わず追い足しもせず、フォンと野菜、ワインだけを使って一ヶ月間かかって作られた漆黒のソースは、驚くほど深みがあって濃厚。もはや都会では絶対に出来ない手間と金がかかった素晴らしい仕事である。歯がいらないほど柔らかいタンシチュー(3240円)やビーフシチュー(2500円)で是非堪能してもらいたい。そこまで・・・という方には、ハンバーグ(970円)やハヤシライス(1500円)でも実力の片鱗は堪能できる。
もちろん、ドミグラスソース以外のメニューも一流で、ポークカツレツ(970円)は濃厚な脂と肉の旨味が詰まっていてサイズも大きく、とんかつ専門店がひれ伏すコストパフォーマンス。今となっては珍しいポタージュやヴィシソワーズ等のスープも真面目に作られている。コンソメジュレやテリーヌ、パイ包み焼きといった正統派フレンチの技法が駆使されたオードブル類、ブラマンジェ、チーズケーキ、パンナコッタ、季節の果物を使ったシャーベットなどデザートも本格的。赤ワインソースがかかった鮮魚のポワレ、ミラノ風カツレツなど、週替わりランチでは幅広いレパートリーも披露している。ただ、カレーは福井の人向けに作られた昔ながらのタイプで、好き嫌いはハッキリ別れる味。
あと、冬場の11〜12月だけ提供されるセイコガニのクリームコロッケは、カニで取られたフォンで作られたベシャメルソースに、カニの身、内子、外子、味噌がぎっしり詰まった、カニをそのまま食べる以上にカニを堪能出来る至宝の品。牛タンがゴロゴロ入ったクリームコロッケ、その牛タン入りベシャメルソースと豚肉を重ねて揚げたポークベロアといった限定品も、もしあれば是非とも頼んでいただきたい逸品である。
(17/01/13 更新)
熱海の間欠泉近くにある魚問屋が経営する海鮮食事どころ。
ここに来たら何はともあれ刺身定食1200円を頼むべし。新鮮なウニやイカ、アジ、マグロなどがたっぷり盛られた刺身が出てくる。値段は少々張るが、近所のすし屋の値段を考えたら途方も無いCPである。1階で売られているアジの干物も、釜鶴などの有名干物店に全く引けを取らないうまさだ。それで1枚100円である。お土産と食事両方でお薦め。
(2004年以前のデータ)
あの難波にある有名店「美津の」で修行された、イケメンご主人と若いスタッフで営まれているお好み焼き店。美津のと同じ味でありながら値段が安いため、昼夜ともにかなりの人気で、夜は事前に予約しないと席が取れないほど。
美津の直伝・名物の山芋焼き(1280円〜)を筆頭に、お好み焼き類は720円からとリーズナブルで、山芋が入ったフワフワの生地に荒目の微塵に切られたキャベツ、こんにゃくが入っていてとても軽い味わい。焼きそばに使われているイカは肉厚で隠し包丁の仕事がされており、麺は生麺を茹で上げて使うこだわり様。豚バラ肉2枚を卵で包んだ豚平焼きも実に軽い味わいで、添えられたキムチもアミの塩辛が使われた本格派で全く隙がない。
サラリーマンにはランチメニューが非常な人気で、夜だと高額な山芋焼きとご飯、味噌汁のセットが870円でいただけるし、お好み焼き定食は720円、焼きそば定食が770円、モダン焼きの定食でも870円というリーズナブルなお値段。ダブル炭水化物が嫌だという人には、豚キムチや豚生姜焼き、野菜炒めの定食もあって、こってりしたソースの味わいと鉄板+アルミホイルで最後までアツアツというコンボはまさにごはん泥棒である。美味しいご飯はお代わり自由、付いてくる味噌汁ももちろん手抜きなしだ。
(14/11/21 更新)
夜は人影が消えるオフィス街の外れに、隠れたように佇む狭くて小さな店ながら、曜日に関わらず毎日満席になる人気を誇る店。
それもそのはず、新鮮な胸肉、コリコリの砂ずり、脂が乗ったプリプリの肝が載った「造り盛り合わせ」は他店なら3人前は出せるボリュームで1000円ポッキリという値段にまず仰天。焼鳥も、非常に丁寧な仕込みがされた背ギモ、濃厚な肉の味を感じるネギマ、食べやすく仕事がされた手羽先、じっくり脂が落されたサクサクの三角、まるでハンバーグステーキのようにジューシーなつくねと、どれもこれも感嘆すべき品揃いで、モッチリとした胸肉たたきのわさび和えにはおろしたての香り高い本ワサビが使われ、カウンターの七味や山椒(やまつ辻田製?)にも質の高いものを揃えられていて全く隙が無い。そして締めに外せないのがここの鶏飯で、濃い目に炊き上げられた鶏の旨みが詰まったご飯とコラーゲンたっぷりのスープの組み合わせは、どんなに腹が一杯でもワシワシ行かざるを得ない魔力がある。
串はほぼ120円から180円の価格帯でしっかり突き出し料も取られてしまうが、一品料理はそれぞれハーフサイズが選べるし、酒もチューハイが300円にビール中ビンが480円、量り売りのブレンド焼酎(1合あたり600円)とまずまずリーズナブルで、トータル的なコストパフォーマンスも抜群の名店だ。
(09/04/08 更新)
住所:大阪府大阪市中央区大手通3-2-3 【MAP】
電話:06-6947-7739
松屋町筋沿い、マイドーム大阪のすぐ北にある小さな自家製麺のうどん店。
うどんの単品は天カスが入ったハイカラの500円と高めだが、反面セットものが非常にリーズナブルで、ざるうどんやにしんそばとかやくご飯のセット、カレーうどんとご飯のセットで750円だったり、親子丼とミニうどん&そばで780円と、ほぼ単品と変わらない値段で食べる事が出来るのが嬉しい。
それでいて味のほうはしっかり一流で、ダシは100%天然でキレと香りにあふれており、きつねのお揚げは甘くふんわり煮込まれ、ぶっとい海老天は甘みたっぷりでプリプリ、卓上の七味も香り高くて全く抜かりが無い。カレーうどんはダシの旨みが全面に出たタイプで山椒たっぷりの七味が良く合う。ランチタイム一番人気のの親子丼は、甘めのダシにしっかりと下味が付けられた鶏肉がどっさり、そこにふんわり玉子が溶け込んで絶品。
また、そばの方も相当レベルが高く、麺は黒っぽい田舎風で香りが良く、辛味大根と生わさび、うずら卵が添えられてのたっぷりボリュームで650円とは、そば専門店に行く気が失せるほどのハイCP。そして冷たいうどんは温かいものとは違って極細タイプの麺で、ちゅるちゅるぐにゅーんという食感が楽しく、メニューの隅々まで質が高い名店である。
(11/05/26 更新)
以前は「三ツ島更科」という民芸調のそば屋だったのだが、09年の8月に改装し、名実共に讃岐風うどんの店として再スタート。
ビッシバシと接頭語がついた冷やの剛麺は、ギューンとした伸びと歯を跳ね返すようなコシ、キリッとしたエッジ、そして波打つようなねじれと完璧そのもので、香川でもおいそれと見かけないような凄いレベル。ぶっかけや生醤油はもちろんだが、スパイスとダシが濃厚に香るルーがたっぷり入ったアツアツのカレーうどんの中でも、しっかりと麺の存在感を主張しているところは流石である。また、天然穴子が1本丸のまま揚げられるサクサクの穴子天やミディアムレアの鶏天、柔らかな和牛肉など、やたらと豊富なサイドメニューにも全く抜かりが無く、かつ丼なんかも絶品。
値段は全体的にちと高めだが、うどんの量が1人前400gあるのでクォリティを考えればCP的には文句なし。それでも高い、という人には玉子丼とミニうどんのセットを是非。わずか620円という値段で味的にもボリューム的にもここまで至福を感じるセットは他のうどん屋にはまず見当たらない、絶対の隠れお薦めメニューである。
追記:18年秋から門真市駅付近に移転。
(09/08/12 更新)
近鉄布施駅から府道24号線を北上、1kmほど行ったところにある地元密着型の焼肉店。西光園と名がつく店は生野区を中心にいくつかあるが、炭火のカンテキを使用して、なおかつ但馬牛なのに値段がリーズナブルなのが素晴らしい。
まずオーダーすべきは、上塩タン(1500円)。皿に美しく盛り付けされた霜降りのタンは肉厚できめ細かく非常にジューシー。上ハラミ(1500円)は驚くほどの肉汁がほとばしる。肉はデフォルトで110gあるので食べごたえも満点。上ロース、上タン、上ミノの上盛り合わせ(1500円)は、歯がいらない柔らかさのロースとサクサクと軽く噛み切れるミノが絶妙。ハネシタ炙り焼き(1600円)は、霜降りの脂が舌の上で溶けて何とも官能的でたまらない。
上物でなくても、並バラ(1200円)は揃ってないだけで見事な霜降りぶりに驚嘆。テッチャン、アカセン、ハツ、センマイが入ったホルモン盛り合わせ(900円)はプリプリで新鮮そのもの。大ぶりのウルテ(600円)は味噌味で繊細な包丁が入っていて食べやすい。本ツラミ(900円)はツラミと思えないほど柔らかく、塩アゴ(600円)は脂と肉味のコンビがビールに最高。タンツラミ(700円)はまあ普通かな。
またサイドメニューも秀逸で、生センマイ(800円)は肉厚、幅広でシャキッとした歯ごたえが実に楽しい。キムチは自家製で丁寧な仕込みが伺われる。ナムル(600円)も皿にたっぷりで味にメリハリがある。トロンと柔らかいマッコリ(300円)も美味しい。
そして締めで絶対に頼むべきは冷麺。牛肉の旨味が効いた出汁に極細のシコシコ麺が浸かり、キムチと甘酸っぱいナムルが良いアクセントになって、思わず全部飲み干してしまうぐらいの美味しさだ。
(23/03/28 更新)
近鉄布施駅から、線路の北側沿いに伸びる道を西へ行ったところにある、カウンターのみのオープンエアーな焼肉店。しかしヘンコな大将が出してくれるのは、雰囲気からは想像もつかない絶品の黒毛和牛や凝りまくったサイドメニューがいただける超絶店。店は9時前は予約必須で、営業時間は予約と大将の気分次第というフリーダムなシステム。
マスターが注文の度に手切りで出してくれる肉はどれも素晴らしく、肌理が細かく厚切りのタン元、タンツラ、タン先の牛タン三種盛り(1600円)にまず感動。本ワサビで食べるヒレの最上部位であるシャトーブリアン(1900円)は分厚いのに舌で切れる柔らかさ。超霜降りのサーロインにワサビを載せて焼く「わさび焼き」(1900円)もただ口中で溶けるのみ。ハラミ(1400円)には驚くほどのジュースが詰まっている。霜降りのマルシン薄切りをさっと焼いておろしポン酢で食べる「焼きしゃぶ」(1600円)は完全に飲み物だ。霜降りだけじゃなく、赤身のイチボもあって肉本来の味が楽しめる。
当然ながらホルモンも上質で、大ぶりにカットされた肉厚で味が濃い生センマイは激安の500円、センマイ、マメ、ミノ、アカセン、丸腸、テッチャン、ハツ、そしてなぜかソーセージも入った凄いボリュームのネギ塩ホルモン(1300円)は絶対にオーダーすべき逸品。丸腸は初めて見る大きさで、ツラミ(700円)も柔らかく味が深い。ハラミスジはたったの300円でとろける脂の旨味が味わえる。もしメニューにあれば絶対にお得なのがタンの切り落としで、700円なのにジューソーナタンがたっぷりだ。
サイドメニューも凄腕ばかりで、キムチ盛りは、レンコン、オクラ、ごぼう、ゴーヤ、きゅうりと珍しい材料を使った手作りで旨い。イカのキムチ、貝ひものキムチなど海鮮系も抜群。レバーパテは臭みなくボトルワインが進みまくる。そして締めにオススメなのがカレー(600円)。牛スジ肉がどっさり入ったフルーティでコクのある味わいは、専門店が裸足で逃げ出すクォリティ。ドリンクは生中が450円に、チューハイやハイボール、焼酎が400円というお値段。
(18/11/19 更新)
西成区の北開という人の往来が少ない場所、しかもガレージを改装したテーブル2席、3人がけのカウンター1つの小さな店というディープ極まりない営業形態ながら、修行先である「肉匠おか元」譲りのA5ランク和牛がいただけるというギャップが凄まじい。
「A5」を謳っている店ほど怪しいのが業界の常識だが、ここの肉はさすがに一口食べれば分かる本物で、笹身や三角バラ、珍しい「フケ」や「クリ」といった希少部位も日替わりでいろいろと用意される。そして本ミスジは2500円もする一方で、チマキなら1000円、フケやインサイドスカートなら680円で食べられるなど、同じ霜降り和牛でも部位によるマーケットでの人気がそのまま価格に反映されているのが面白く、マニアックな探求の楽しみがある。
もちろん安い部位であっても溢れ出る肉汁や脂には一切しつこさや臭みが無く、まるで水が肉から染み出しているような錯覚を覚えるぐらい。店自慢のハラミやサガリ、切り込みを入れたカッパなど、安物ならちゃんと焼かないとゴムのようになってしまう部位でも、レアでサクサクと食べてしまえる程である。
また、正肉とは流通経路が異なるために、安定した入手が極めて困難な和牛ホルモンもしっかりと常備され、ピンと角が立った甘〜いレバー、まるでホタテのような見た目と柔らかさのミノ、クリーミーな脂だけを残して口の中で溶けるアカセン、真っ白になるまで丁寧に掃除されたセンマイやハチノス、分厚く濃厚なツラミなど瞠目する品ばかり。単品の量は少なめだが、それでも280〜580円という値段は超格安。
サイドメニューも、大皿にたっぷりのネギサラダ、本格派のキムチ、讃岐うどん並みにガッシリした麺のかすうどんなど充実。酒は生ビール380円、中瓶が480円、チューハイが360円と値段的にはまずまず普通。肉はもちろん単品でも頼めるが、おまかせで何種類かが入っているセット(1〜2人前、5品ほどで1800円)を頼むのが最初はお薦め。
(13/09/06 更新)
地下鉄北巽駅にほど近い住宅地の真中にあって、毎夜たくさんの地元客で賑わう穴場店。とは言え憂歌団や桑名正博といった有名人も常連として知られている。
それもそのはず、バラやテッチャンを始め、アカセン、コリコリ、コブクロなど様々なホルモンの串焼きが1本100円と130円と言う値段、生レバーも1本130円で甘くて新鮮そのものと来れば、これで人気が出ないはずが無い。生ものはコブクロやハツはもちろんミノやフク(肺)の刺身など、ホルモン天国の生野区でも珍しいぐらいに充実しており、店の鮮度への自信が伺える。さらに特製ピビンパやユッケジャン、富士山のようななおにぎり、ハラミ+キムチ+生卵の源丼、自家製手打ち冷麺などご飯やスープものも豊富にあり、座敷もあるので同系の大成屋とは違って家族連れにも安心して使える店だ。ヒネ鶏や激辛青唐辛子、絶品のマッコリなど裏メニューも豊富にある様子なので、顔なじみになったらいろいろ聞いてみるべし。
(05/11/07 更新)
まず座るとふかしたじゃがいもが出てくるので、それを食べながら待っていると、クローブの効いた焙煎スパイスの香り高いカレーが登場する。最初食べると何となくコクが物足らない印象があるのだが、しばらくすると必ず猛烈に食べたくなってしまう中毒性がある。ごはんや肉の量も学生街らしく十分。ただ、大盛りにするとルーが足らなくなるので注意。2階にはコーヒーも楽しめるテーブル席がある。
(2004年以前のデータ)
大阪のお好み焼きと言えば、まず名前が上がる玉出の名店。店の間口は狭いが2Fにも席があり、開店直後からお客さんがどんどん詰め込まれる。メニューはお好み焼きと焼きそば、ロール(いわゆる豚平焼き)の3つがベースで、値段は共通でイカ入りが770円、豚入りが820円、エビまたはタコ入りが870円、そしてミックスが1130円とかなりお高め。
名品と名高い豚玉は、豚バラ肉とロースが一体になった大きなスライス肉がぐるりと渦を巻くように敷き詰められ、低温でじっくり長時間蒸し焼きにされてキャベツと山芋が柔らかく一体化された生地とのカリカリ&フワフワのコントラストは、他に類を見ない見事なもので、値段は高いがそれに十分見合うクォリティを見せてくれている。出来上がったお好み焼きには、客がソースをかける前にケチャップとマヨネーズ、辛子が載せられて出てくるのだが、それらが豚肉のしつこさとマッチして味にコクを加えているのが憎い。
ロールや焼きそばにも、同じ豚肉が使われていて肉のボリュームは十二分。ただし、両方共お好み焼きに比べると印象としては薄いかな。イカは大きくてエビも良質だけど、やはりこの店のファーストチョイスが豚玉である事に揺らぎは無い。
(12/06/22 更新)
阪急南方駅、地下鉄御堂筋線西中島南方駅南口のすぐ横、徒歩1分弱。阪急京都方面行きのホームから見える。
梅田駅から地下鉄や阪急で一駅の南方からすぐ。非常にトータルバランスが高いレベルにあるたこ焼きである。天カスをたっぷり使ったカリッとした外側がおいしい。店内で食べる場合は青海苔とカツオが振り掛け放題なのも嬉しい。夕刻には生ビールで一杯やる人も多い。たこ焼き10個380円。
(2004年以前のデータ)
蒲生四丁目の南東にある城東商店街内に2016年の11月にオープンした、ご夫婦で営業されているテイクアウト専門・オープンエアーのたこ焼き店。
水、粉、油、出汁全てにこだわったと謳われたたこ焼きは、粉を最小限に抑えた生地を、銅坂の焼き板と米油でじっくり大きく焼き上げられたもので、出来上がりはカリトロならぬフワフワトロットロ。具はタコ、ネギ、紅しょうが、天かすとごく普通だが、何より天然出汁がたっぷり入った生地の香りと味わいは見事と言うしかない。たこ焼き自体のサイズほどタコは大きくないが、プリッとしていて新鮮。
値段は6個300円、12個500円、18個750円、30個1200円と単価にバラつきがあるのがちょっと謎。味付けは、そのままと岩塩、ポン酢、ネギ塩、梅&岩塩、ソーズマヨ、明石焼き風の出汁入り(100円アップ)と幅広い。生地の良さを味わうなら、まずは塩系で試してもらいたい。
(17/01/13 更新)
住所:大阪府大阪市北区浪花町4-21 【MAP】
電話:06-6373-2929
営業時間:11:30-18:30
定休日:火曜
アクセス:JR天満駅から商店街を北へ、すし屋の並ぶ道を西へ行って大通りを渡ってすぐ。
ここもJRなら大阪駅から一駅。独特の黄色い天カスによる、もちもちとした極めてコクのある味わいが特徴的。いろんなところで絶賛されている店で確かにうまいのだが、下町安たこ焼きになじみすぎた私のような関西土着民にとってはうますぎてたまに食えばいいかと思わせるのも事実(笑)。もちろん、お薦めである事には変わりない事だが。たこ焼8個280円。
(2004年以前のデータ)
昔から湯豆腐が有名で、店名からして居酒屋のように思えるのだが、実質は大衆割烹。階段を上がって入店すると、白木のカウンターとテーブルはいつもお客さんでぎっしり。18時半までは予約が可能で、フリだとだいたい20時過ぎまで入れない事が多い人気店。値段はどこにも書いていないが、だいたいアテは1品1000円前後と思われる。
まず頼むべきは「炊合せ」で、甘めのダシで炊かれた小芋、かぼちゃ、さつまいも、たけのこ、絹さや、生麩など精進素材の上には、絶妙な火入れのピンク色の鴨ロースが3枚(内容は季節によって異なる)。鉢巻と呼ばれる名物の2合徳利がすぐ空いてしまう。
マグロ、イカ、鯛の刺身盛りは、顔ぶれは平凡だがそれぞれの素材がねっとりと妖艶、旨味十分。鯛のあら炊きはキリッと辛口で日本酒との相性は抜群。ワケギの酢味噌は半生プリプリの明石ダコが入って、辛子の効いた酢味噌が絶妙。
角切りの柔らかいウナギがたっぷり入った「う巻き」はトロトロで至福の味わい。カラッと固めに揚がった天ぷら盛り合わせ、サクサクのエビフライなど、揚げ物はいつも油がキレイで胃もたれとは無縁。焼鳥や鶏キモの焼き加減もバッチリ。
名物の松前寿司は1切れからオーダーが可能、肉厚でレアに浅く締めた「きずし」は単品でもいただく事が出来る。寿司は握り、巻きずしもあって、今どきの寿司屋とは異なり1つ1つのボリュームが凄い。小芋、えんどう豆など煮物は甘めの出汁でこっくりと仕上げられている。稚鮎の天ぷら、鱈の白子、鱧、松茸等、季節のメニューも豊富。
そして締めはもちろん看板メニューの湯豆腐。キリッと辛口香り高い出汁がなみなみと注がれ、添えられるのはとろろ昆布じゃなくておぼろ昆布、出汁に溶け込まないので味がくどくならず、こういうところに割烹としての矜持が感じられる。食後には熱いお茶の嬉しいサービスもある。
(23/06/15 更新)
西成区の岸里にある「越中屋」という人気寿司店が、天下茶屋駅高架下ショップ南海に開いた支店。最初は持ち帰り専門店だったのだが、職人さんが入って夜は握り寿司の二毛作に、そして今は持ち帰り店からすぐそばに独立して3店舗になるという人気ぶりである。
寿司は常時40種類ぐらいのネタが揃っていて、玉子、サーモン、イワシなどが1貫100円、最高額でもウニ、中トロ、イクラの400円で、150円や200円の寿司が全体の6割程度と回転寿司に毛が生えたようなお値段でありながら、きちんと仕事をされた一級品の品ばかりである。本店より数は少なめだが、刺し身や酢味噌和え、焼きゲソといったアテも何種類か揃っている。
ピンク色が美しい天然本マグロ、香りが抜群の気仙沼産カツオ、脂よりも旨味を感じるサンマに、臭みが一切無いイワシ。さっと炙ったとろけるようなのどぐろ、軍艦ではなく握りに仕立てた甘いウニ、焼き霜と飴色の美しさが際立つ天然明石鯛。そして濃厚な仙鳳趾産の生牡蠣。香ばしく炙った穴子、旨味だけが残る肉厚のトリ貝、酒が止まらんカニ味噌で和えた毛ガニの身、うす塩で大粒の自家製イクラ。程よく熟成されたシマアジ、日本酒で柔らかく煮られた煮穴子、むっちりと輝く明石のタコ、丁寧に皮を向いた生げそ。ピリッと本山葵が香るわさび巻き、甘くないだし巻き、そして八丁味噌とネギが香る赤だしと、最後まで隙が無い。
店内で寿司を堪能した後は、お土産に持ち帰り寿司もぜひ。バッテラ、巻きずし、穴子棒寿司とメニューにあるが、オススメなのは「ばらずし」で、味噌が詰まった有頭海老に、下ごしらえしたイカやホタテ、穴子も乗っていて豪華絢爛。酒を飲み過ぎて帰っても家族が許してくれる事疑いなしの逸品である。
(15/10/16 更新)
住所:大阪府大阪市生野区鶴橋2-3-8 【MAP】
電話:06-6712-7105
営業時間:平日9:00-21:00 日祝:12:00-21:00
定休日:水曜
アクセス:近鉄鶴橋駅東口南へ50mほど
鶴橋の魚市場すぐ近くにある、正に今日市場で取れた旬の魚を食わせてくれる店。鮮度が要求される生の光り物が充実しているところに店の自信がうかがえる。
小さ目のシャリで、分厚くいかったネタに細かく切れ込みを入れて食べやすくし、ネタによってポン酢やすだちで食べさせるスタイルが特徴的。単品は250円から1000円まであるが、マグロやイカ、エビなど標準的なネタが8カン付いた「にぎりセット」900円を頼んで後は追加で、というパターンが比較的お得。予算に余裕があるならおまかせでどうぞ。席数が10席と少なく、マスコミ取材お断りなのにも関わらず、かなり長く待たされるときがあるのでピークを外して行きたい。
(2004年以前のデータ)
住所:大阪府大阪市北区梅田1-1-3 大阪駅前第3ビルB1 【MAP】
電話:06-6344-4156
営業時間:11:00-16:00 18:00-20:00 土・祝11:30-15:30
定休日:日曜
大阪駅前第3ビルの地下1階にあるカウンターのみのうどん店。料理人はコックコートを着て、壁にはイタリアのスポーツ新聞や自転車の写真が飾られているのがちょっとユニーク。
うどんは今時の香川でも滅多に見られないほどの極太麺で、水で締めると伸びは標準的だがグミのように強烈な跳ね返しと粘りに驚愕する。そして釜揚げなどの温かい麺にすればモッチモチとすこぶる官能的で、麺の個性が際立っている。
出汁はブワッと鰹の香りが立っていて極めて上質、ほのかな甘味でふくよかな関西風。付け出しははっきりとした甘辛味だが、煮干しの力強い旨味がしっかりしているので単調さは感じない。豚肉、しめじ、ネギがたっぷり入ったドロリとしたカレーうどんも出汁感がみなぎっている。通にオススメなのは冷かけで、他とは異なりダシはビシバシにイリコが効いた香川スタイル。これに極太剛麺が合わさると本場顔負けの豪速球うどんが出来上がる。
名物のとり天は胸肉を使用しており、フワフワのサクサク。鯛ちく天はとてもなめらかな舌触りで上品な味わい。オレンジ色の黄身が輝く「とろ玉天」は極めて濃厚。エビ天はプリプリ、ナスやかき揚げといった野菜天もカラリと揚がって隙が無い。焼肉ぶっかけなど和牛を使ったメニューも有名だが、今は時価(2〜3000円)になって全く手が出せなくなったのが残念。
ランチタイムにはぶっかけ、釜玉、釜揚げ、ひやかけなど各種うどんに鶏天が乗ったご飯(シソ味、マヨ味)が付く定食が780円、カレーうどんも用意される。
(16/06/10 更新)
中津交差点から天六方向へ伸びる道沿いにある讃岐風うどん店。以前は午後2時からのオープンという変則的な営業時間だったが、2014年春から昼12時からになって行きやすくなった。
茹で上げたうどんに生卵をからめ、つけダシで食べる、きすけ流の釜玉うどん(800円)は、グニグニミョーンと伸びる麺とクリーミーな卵、ダシの上品なコンボが絶妙で、これぞ浪速の讃岐風うどんと言うべき個性が際立つ逸品。肉ぶっかけ温泉卵のせうどん(980円)は、あっさりと甘めに柔らかく火を通した国産牛と、そのまま飲めそうなすっきりとしたぶっかけダシ、際立つグミ感の冷たいうどんがま〜るいバランスで収まっていて量が多くても食べ飽きない。
関西式の温かいうどんも秀逸で、きつねうどん(700円)は大きいのに溶けるような柔らかさのきつねに、酸味が出るギリギリのラインまでしっかり節を煮だした深みのある出汁、モチモチに変化したうどんが芳醇な世界を作り上げている。また、ごま油でごぼうを炒めた香りが絶妙のアクセントになっているかやくご飯(小サイズ230円)も必食アイテムである。
(14/10/23 更新)
交野市の北端、枚方市との境界沿いにある讃岐風うどんの店。第二京阪と、その下を通る国道1号バイパスが出来て、大阪市内からもアクセスが楽になった。
ここの特徴は、何と言ってもビョ〜ンビョ〜ンと驚異的に伸びる、グミ感たっぷりの麺。2日間熟成させた麺を圧力釜で茹でているらしく、そのせいか温かいうどんにしてもモチモチ感が失われない不思議な麺である。そしてダシのほうも申し分ないクォリティで、昆布の風味も鰹節の香りもたっぷりの美味しさ。柔らかい肉トッピング、サクサクの竹輪天といった、うどん種にも全く抜かりが無い。それでいて、巨大なお揚げが載ったきつねうどんが580円からと、値段もなかなかリーズナブル。ただ、カレーうどんはダシと辛味がやや突出していて、スパイス感を期待すると肩透かしを食らうかも。
最寄り駅から1km近くは離れていて徒歩で訪れるのは難しいロケーションだが、駐車場には6台しか止められず、店内の待合も2席ほどしか無いので、土日にマイカーで訪れる場合は11時の開店前に訪れるほうが良いだろう。
(10/07/21 更新)
何故かハイレベルなうどん屋が次々登場する大阪東部界隈でも、最近特にうどん好きの注目を集めている一軒。天井の高い、黒を基調とした店内はオシャレで、駐車場も完備しているので家族連れにも適している。
北海道産の小麦粉のみを使ったうどんは、三ツ島更科と同じタイプの黄色味がかった熟成麺で、グミ感と伸び、コシが高いバランスでまとまっていて極めて秀逸。ご主人が和食出身らしくダシもハイレベルで、ぶっかけやおでんのダシは甘めながらも香りとキレがあり、温かいダシはさっぱりとした上品さの中にもイリコと鰹節の旨みが効いており、どちらも文句なしの出来。定番のちく玉天やげそ天以外にもメニューは豊富で、プリプリの海老天と揚げ餅が入ったものや、大きくてカリッと揚げられたから揚げなど、うどんつゆに浸して食べるのがある意味惜しいぐらいに種物もレベルが高い。そしてから揚げやおでん、トンカツといった定食も充実しており、チキンカツ定食なんかは柔らかな鶏もも肉がサックリと揚げられており、小鉢や漬物、半人前以上はあるうどんがついて830円とは、ボリュームとレベルを考えれば格安の一言。ただ、カレーうどんはダシとカレー粉を混ぜただけのような没個性的なタイプで、悪くは無いがもう一工夫欲しいところ。
既に休日のランチタイムには行列が出来る人気店だが、あくまでもうどんは注文の度に茹でられるので、おいしさのためには多少の待ち時間は覚悟しよう。その間は、これまた甘めで絶品のおでんや、一品で50円からと格安な天ぷらや揚げ餅、から揚げといった単品が充実しているので、車じゃなければそれで一杯というのもオツだ。
(09/09/28 更新)
閑静な細工谷商店街の中ほどにある落ち着いた雰囲気のとんかつ店。コロッケなどのテイクアウトもやっている。
売りは和製もち豚を使ったとんかつで、薄手のカツが多い関西では珍しく脂の乗ったジューシーで分厚いものが食べられる。そのとんかつ定食は1000円と安くは無いが、とんかつやお新香、サラダ、味噌汁はもちろん、一皿に取り放題のお惣菜コーナーがあったりして大変満足度が高い。和風カツや梅シソなど、変わり種のとんかつもずらりと並んでいてびっくりだ。
(2004年以前のデータ)
ホルモン類が700円台、バラやハラミ、塩タンなどが1000円台前半と値段は鶴見橋価格を超えているだけあって、細かくサシが入ったプリンプリンの「並」バラやうまみが詰まったハラミ、甘味が際立つ生ギモなど、肉は全て超一級品揃い。その中でもB級的にお薦めなのは分厚い塩ツラミ(780円)で、噛めば噛むほどにじみ出てくるコクのある味わいは、1280円の塩タンと並び得るうまさだ。ただ、タレが少しあっさり目で脂肪の多い肉だと負けてしまう部分があるのがややマイナス点か。注文を受けてから麺を打つ冷麺も是非忘れずに。ビール生中は500円。
追記:店が移転して新しくなったそうだ。店のデータを移転後のものに差し替え。
(05/12/08 更新)
鶴橋近辺でどこがベストかと言われればこの店だろう。猪飼野のコリアタウンにある本店は近隣で一番の格式を誇り、韓国からの観光客もこぞって訪れる名店。
肉はどれも素晴らしいが、ジューシーで適度なサシが入った特撰和牛上ハラミ(1000円)と上塩タン(1500円)は外せない。さっぱりしたオリジナルのつけダレも美味しく、ボリュームも確実に100gは入っていて値打ち度は高い。コストパフォーマンス派であれば、いわゆるサムギョプサルである「豚バラ焼き」がお薦め。フレッシュな生のバラ肉をこんがりと焼き、エゴマの葉、青唐辛子、ニンニク、味噌をサンチュでくるんで食べれば幸福度満点。野菜関係であれば、肉厚・大ぶりでありながらサクサクフワフワのチヂミ(500円)、ガッツリと魚介類の旨みが利いた絶品キムチも絶品。キムチは500円で持ち帰りも可。公式サイトでの通販も可能。
マスコミにあまり取り上げられない割に人気が高く、席数もそれほど多くないので予約は必須である。予約は公式サイトのメールフォームからでも受け付けている。なお、昼は1000円前後でシレギスープやユッケジャン、コムタンといった韓国料理が楽しめるお得な定食もやっている。
(13/05/06 更新)
JR京橋駅北口改札を東に出て、、立ち飲みストリートに向かう道の途中で階段を上がったところにある、カウンターのみの焼肉店。1人前が220gあるのが特徴で、1人客ならハーフで頼むことも可能。肉は、オーダーごとに店主のやっちゃん氏が和牛の塊肉からカット、筋や脂身をバッサリ切り落としてぶつ切り状態で出してくれる。味付けは、塩・ワサビ醤油・タレを選ぶことが出来る。
メニューは少ないが全て九州産の黒毛和牛で厳選されていて、生姜醤油でいただくココロ刺し(700円)はプリプリで臭みはまるで無し、生センマイは驚くぐらい分厚く、シャキシャキとした歯ざわりが快感そのもの。
上塩タン(2200円)は、表面に細かく包丁が入っていてステーキのように分厚くジューシーさが際立っている。ココロ、アカセン、テッチャンが入ったホルモンは新鮮そのもので肉が甘い。ミノは真っ白な脂肪をたっぷり含んでいてとても柔らかい。バラやロースは脂っぽくなく、熟成された旨味がたまらない。肉厚のハラミは肉汁たっぷりで、辛くない韓国唐辛子をまぶした濃厚なタレが良く合う。
サイドメニューのタンシチュー(ミニライス付きで700円)は、ホロホロのタン先をあっさりしたトマトベースのスープで煮込んだもの。スープ(480円)は溶き卵とタンの切れ端が入ってあっさりスパイシーな味。ドリンクは生中やチューハイ、赤ワインなどが480円からとややお高め。
(20/11/24 更新)
大阪でも屈指の味を誇る名店ながら、お得なメニューが充実しているのが非常に嬉しい店。
その一つが終日食べられる北京定食で、絶妙な軽さの芝エビの天ぷらやフワフワのかに玉、酢豚の3品にサラダと小鉢、そして雑誌でも有名になった「正調杏仁豆腐」が付いて1200円とは、食後の幸福・満足度を考えればかなりの値打ちである。さらに平日なら2品で800円の定食もあってなおリーズナブル。2人以上いれば、1人1680円でふかひれスープやエビチリなど30品の中からそれぞれ3品ずつ頼める「口福プラン」もお得。
また、ここは中国精進料理のメニューがある事でも知られている。見た目も味も食感も本物そっくりのアワビやエビ、豚肉などは、必ずや食卓に楽しい驚きと話題を提供してくれるだろう。それでいて通常の食材を使った同じ料理よりも安いのだから、菜食の人はもちろんの事、B級グルメ好きの人にも十分楽しめる。門真にも支店あり。
(2004年以前のデータ)
鶴橋卸売市場の南端、細い一般道に面したところにある、すし店などのプロ御用達の鰻店。鶴橋にうなぎの店は多くあれど、ここが一番売れ行きの回転が早い。
店の中で次々にさばかれて蒲焼にされるうなぎは、当然国産の活けのものを使っており、うなぎの身の厚さと柔らかさ、臭みの無さは圧巻で、スーパーで身の薄いペラペラの国産うなぎと称する代物を買うのが馬鹿らしくなる。値段はマーケットプライスで、小さなサイズで1000円前後からあるが、どうせなら1500円ぐらいの大ぶりのサイズを頼みたい。酒をふりかけてホイルで蒸し焼きにしたものを、うな丼にして食べると最高に幸せになれるぞ。
また、鰻は白焼きにしてもらう事も可能。もし店にう巻きが残っていればそれも是非忘れずにどうぞ。
(10/08/12 更新)
ここも馬肉をスモークした「さいぼし」を製造直売している店だが、あえてさいぼしとは書かずにチェリースモーク(桜肉=馬肉の燻製という意味?)と称しているだけあって、他とは一味も二味も違うのが特徴的。
おそらく冷薫法に近いやり方で作られているのではないかと思うが、出来上がりはかなりレアに近い感じで、ジャーキーと言うよりは味を凝縮させた馬刺しと言った方が良く、馬刺しと同じようにしょうが醤油やにんにく醤油で食べると絶品である。値段は300g程度のパックでバラが2500円、ロースが2000円、そしてバラとロースが混ざった一回り小さいパックが1500円と、さいぼしの値段としては標準的だが、価格以上の満足感が味わえる逸品だ。ネット通販は無いが、電話一本で地方発送も可能。
(10/06/18 更新)
鶴橋の南にある大阪のコリアタウン、御幸森商店街は韓国食材の宝庫で、山田商店のキムチなどに人々の行列が出来たりするのだが、個人的な一押しはここの蒸し豚(100g200円)だ。
店頭で豚肉のいろんな部位を量り売りしてくれるのだが、是非とも皮付きの部分を買って欲しい。肉にかぶりつくと皮の裏のプルプルしたゼラチン質の部分がたまらない。辛子醤油で食べると豚のうまみが口一杯に広がってビールのつまみに最高である。他には豚足や腸詰のスンデなども売っている。もちろん持ち帰りのみだが、薄い紙袋に肉隗をゴロリと包んでくれるだけなので(笑)、遠方の人は持ち帰りに工夫が必要だ。
追記:天満市場(ぷらら天満)の1Fに支店ができた。そこではキムチも売られている。
(09/12/24 更新)
夜は特選ヒレやロースのとんかつを始めとして、ステーキやイカのから揚げなどをビオワインでいただくようなちょっとハイスペックな洋食店だが、平日のランチタイムには980円のお手ごろ値段でとんかつ定食が食べられる。
もちろんカツは巨大サイズとまでは行かないが、肉を噛み締めると豚肉本来の旨みが溢れ出すような逸品で、独特のコクのあるドレッシングがかかったキャベツもうまくて、店のベーシックな部分でのレベルの高さが楽しめる一品だ。
(07/04/02 更新)
以前は京都の超有名店である蛸虎の支店だったが、独立して蛸鶴と名前を変えての再出発。
たこ焼き(9個500円)は天カスをたっぷり使ったカリカリの表面が特徴的でうまい。たこ焼きも中のたこも大ぶりで、値段に見合うだけの食い応えがある。しかも本店に比べると値段が100円安いのが嬉しい。韓国風タレをまぶしたたこ珍味やたこ刺し(各500円)などで一杯やるのもお薦め。
(2004年以前のデータ)
万博記念競技場からならここを勧めたい。大阪モノレールの千里中央駅を降りたところにあるショッピングモールの中にある。ここからは大阪駅や新大阪駅まで地下鉄で1本なので、観戦の行き帰りに組み込む事が可能だ。
やや値段は高めだが、外はカリッと中は濃厚なトロトロでとても完成度が高い。店も綺麗で他県の人を連れて行っても恥ずかしくないごちそうたこ焼きの代表店と言える。たこ焼き10個480円。
(2004年以前のデータ)
住所:大阪府大阪市中央区難波4-2-9 【MAP】
電話:06-6643-6623
営業時間:17:30-24:00
定休日:日祝
アクセス:地下鉄なんば駅12番出口を出て新歌舞伎座の北沿いにある道を西に行ってすぐ。
日本酒好きにとっては正に天国のような店。
とにかく十四代の大吟醸や王禄など、まず普通では手に入らないような銘酒を数十種類も常備しているのが凄い。しかも一杯500円からと値段も良心的だ。日替わりでお薦めの銘柄がホワイトボードに書かれるが、店の人に頼めば秘蔵の酒を出してくれる事もある。もちろん酒だけではなくアテの方も、するめの麹漬け(350円)を始め、チーズ豆腐やひらめやかきなどの自家製スモーク(600円)、そして旬の刺身(900円)など、日本酒との相性をとことんまで考え尽くされた品ばかりである。ただし、料理が出てくるのが非常に遅いので注文は早めに。席数が少ないので週末は早めに行きたい。
(2004年以前のデータ)
以前は鶴橋鮮魚卸売市場の一角にへばりついていた小さな店だったが、隣の敷地にきちんとした店舗となってリニューアルされ、メニューや飲み物も一気に充実した。
濃厚な旨味と鉄分が歯に染みる生の本マグロや、ふんわりと舌の上で溶ける穴子、噛めば噛むほど味が染み出るタコ、どこまでも甘いとり貝や生のシラサエビ、そしてこの店一押しの、口の中で磯の香りだけを残して消えてしまう、一舟まるごと使ったミョウバン不使用の瀬戸内のウニ(2000円)など、和歌山や瀬戸内の地物を中心にした一級品の素材が店に並んでいる。鯛や平目といった白身も驚くほどの旨みが詰まっており、寿司ネタの熟成度合いも万全だ。
ただ、値段は3貫で500円から1000円相当と決して安くない上に、正直言って寿司の技術はあまり見るべきものは無いので、鱧や鯛などの骨回りのほぐし身を皮とあえてポン酢と一味をかけたものなど、常連は店主が作る漁師料理風のアテをおまかせで頼んでいる場合が多く、まさに魚通による魚通のための店だと言える。なお、近くに寿し吉という似た名前の店があるので注意の事。
(09/05/21 更新)
かやくご飯の名店「大黒」の次男として生まれたマスターが、讃岐風うどんの老舗「はがくれ」で9年間修行した後に独立された、正しい大阪と讃岐のDNAを併せ持ったと呼べるお店。
「はがくれ」直伝の生醤油うどんが店の一押しで、オーダーするとマスターが直々にすだち、大根おろし、ネギ、醤油をかけてくれる指導タイムがもれなく付いて来る。麺質については、これも「はがくれ」らしく伸びや腰はほどほどだが、丁寧に氷締めされる麺のエッジと喉越しが秀逸で、食べる快感はかなりのもの。
ただし個人的に感嘆したのは生醤油うどん以外の品のほうで、特に大黒のDNAを受け継いだダシが実に見事で、十種類の具が入った「かやくご飯」の旨さはもちろんの事、ぶっかけダシは香りと切れ味が素晴らしく、カレーうどんはそれほどスパイシーじゃないけど味の物足りなさは皆無だし、むっちりと分厚いお揚げが2枚載ったきつねうどんなんかは、大阪うどんの名だたる銘店が霞むようなレベルである。
作業や接客が店主1人に集中しているので席の回転があまり良くなく、うどんの値段は550円が最低価格、種物類だと800円は覚悟する必要があり、ご飯類も少なめなのでCP的には少々厳しく、七味や漬物の質にもう少し気を使って欲しいところではあるが、何を頼んでも外れの無い、非常に安心出来る店だと言える。
(11/09/29 更新)
住所:大阪府大阪市中央区備後町1-6-6 ナシモトビル1F 【MAP】
電話:06-6232-1129
本町のオフィス街にあるビルの地下にある店。1Fの紀伊国屋書店が目印である。
肉質に定評のある三元豚を使用してじっくり揚げられたロースとんかつは、カツのたっぷりした大きさの割に驚くほど柔らかくてジューシーだ。それにお新香とだしの香り高い味噌汁、そして食べ放題のご飯がついたロースカツ定食は1200円と安くは無いが、東京で食べると確実に2000円近くする内容だけにCPは悪くない。定食はソースとおろし、味噌味のタイプが選べる。カツ丼も絶品。懐が寂しい時はミンチカツ定食1000円、チキンカツ定食800円を選ぼう。
追記:以前の場所から移転したのでデータ更新。
(10/06/14 更新)
松屋町筋が大川にかかる天神橋の、北側川べりの道にあるスペイン料理店。マスターとカタルーニャ人の奥さんは、京橋の「リンコン・カタルーニャ」出身で、2015年にに独立されたらしい。
こういう店の場合、メニューが4桁以上というところが少なくないが、こちらはタパスが300円から、料理も半数以上が3桁、1000円以上は肉や魚のメイン料理、フィデウア、パエリアといった料理に限られていて、本格的でありながらなかなかリーズナブル。ワインは3000円からで、店がいくつか出して来る候補のから客が選ぶ形式で、カバやリオハといった上質なものが揃えられている。
定番の前菜盛り合わせは、あさりとブロッコリーのソテー、マグロやイワシのエスカベチェやテリーヌ、イイダコの墨煮など海に面したカタルーニャ地方の特色を活かした、日本人好みな品がズラリ。陶器の皿にたっぷり出て来るアヒージョは、生ハムとシェリー酒の芳醇な味わいでパンが止まらない。クミンの香りが効いた中東風の「白いんげんとモルシージャのソテー」、洋食店ばりのソースがたまらない牛モツのカタルーニャ風、巨大なスペアリブと海老の煮込み、フレッシュトマトを潰してパンに載せたフルーティなトースト、毎回絶対に頼んでしまう背徳の美味「生ハムと揚げ芋と卵のよせまぜNo.4」など、単なるスペイン料理とは違う、幅広く奥深いカタルーニャ料理の真髄を感じさせる品ばかりである。
そしてカタルーニャと言えばパエリアの本場であり、魚介の旨味がギュッと濃縮されたパエリア、米の代わりにパスタを使ったフィデウアは、注文から時間はかかるが食べたら今までのは一体何だったんだと眼から鱗が落ちる逸品。パエリャとフィデウアはイカスミを使ったものもあり、イカのコクが際立つ旨さである。
(16/06/24 更新)
昼は地鶏丼とカレーの2種類のメニューのみ。カレーは黒い鳥ひき肉のルーが独特のコクがあってうまい。ただし、超激辛なのでそのつもりで。ココナツミルクのような液体がかかっているが、私はいつも白抜きと頼んで無しにしてもらっている。カレー、丼ともに850円。
追記:ここもランチメニューがそれぞれ100円アップ・・・さすがにこの値段では気軽にとはいかないなあ。
(08/03/31 更新)
住所:大阪府大阪市生野区桃谷3-3-32 【MAP】
電話:06-6717-0094
営業時間:12:00-24:00
定休日:月曜
アクセス:JR大阪環状線鶴橋駅から東へ、玉津3交差点を右折し南へ。永和信金の角を左、1つ目の信号を南へすぐ。徒歩10分
田中康夫が賞賛して有名になった店。有名になったとは言え、おおざっぱに何でもぶちこんだ豪快なお好み焼きの味わいは失われていない。
具のバリエーションによっていろんな人の名前が付いたメニューが壁に所狭しと書かれているが、この店ではぜひキムチ入りのメニューを試してみて欲しい。キムチはここの手作りなのだが、下手な鶴橋のキムチ専門店よりはるかにうまい。だからそれが入ったお好み焼きもうまい。ボリュームも申し分無し。キムチだけを別売りで買えるのでお土産を忘れないように。スジ肉ポッカ950円など。サミー戎プラザにも支店が出来た。
(2004年以前のデータ)
交通手段:地下鉄なんば駅25番出口を出て御堂筋を北へ、太陽生命難波ビルの角を西に入ってすぐ。
上品であっさりとしながらも昆布の滋味深いかやくご飯450円は、やはりここでしか食べられない大阪を代表する味の一つと言える。ただ、ご飯の量は少なめだし、焼き魚や汁物まで頼むと軽く1000円をオーバーしてしまうのは痛い。食事としてでは無くて、おやつ感覚でかやくご飯を食べるのがB級的対処かも。
(2004年以前のデータ)
住所:大阪府大阪市中央区道頓堀1-7-22 【MAP】
電話:06-6211-0319
営業時間:11:00-22:00
定休日:水曜
アクセス:地下鉄御堂筋線なんば駅14番出口より徒歩5分御堂筋を心斎橋方面へ、道頓堀橋南詰右折、道頓堀中座東隣
最近は讃岐うどんがブームだが、ひたすらうどんのコシが命の讃岐うどんとは違い、大阪うどんの麺はあくまで具の中の一つであり、だしを中心とした一体感を味わうものである。
ここはその大阪うどんの真髄を味わえる店。ここのうどんだしを飲まずに大阪を語るべからず。まずはスタンダードなきつねうどん650円を味わって欲しい。冬場はしょうがの香り高いあんかけうどんも人気だ。ようやく火災消失から復活して嬉しい限りである。
(2004年以前のデータ)
住所:大阪府大阪市淀川区十三本町1-8-4 【MAP】
電話:06-6308-4625
営業時間:12:00-22:00
定休日:日祝
アクセス:阪急梅田駅から一駅北の十三駅西口を出て、大きな信号を西に渡り、一筋南側にある大きな繁華街通りに入ってすぐ
大阪のお好み焼き界において、オモニが何でも具にぶちこむカオス的な味わいで西の横綱を張っている存在だとすれば、こちらは料理の完成度と言う意味で東の横綱とも言える存在である。値段はあまり安くは無いが、お好み焼きだから値段は知れているし、やはり大阪を代表する味なので紹介。
ここでは何はさておいてスジねぎ焼きを食べて欲しい。じっくり煮込まれたスジ肉のこってりしたうまみを、たっぷりのネギと醤油とレモンの風味であっさりと仕上げていて実にうまい。量が少し少なめなので、焼きそばも頼みたいところ。
当然行列が出来る人気店なのだが、すぐそばに支店もあるので混んでいる時はそちらも確認してみよう。スジねぎ焼1120円など
(2004年以前のデータ)
カフェブームなるものが台頭するはるか太古からその名を轟かせてきたカフェの名店。子供の頃は大丸の地下の支店でスープを飲むのが楽しみだった。
お客さん連れなら近くの本店がベストだが、一人なら三条店がよろしい。奥の丸いカウンターの中では白服のウェイター達が忙しくコーヒーを入れていて、顔を覚えられると何も言わなくても新聞を差し出してくれる。深煎りのコーヒーは最初から砂糖とミルクが入ったまったりとしたイノダスタイルである。大きなガラス張りの窓から見える中庭の光を浴びながらカウンターでコーヒーを楽しむひと時は、京都のB級贅沢の極みである。
(2004年以前のデータ)
阪神千鳥橋駅から400mほど離れたところにあり、なおかつ平日は午後9時まで、日曜は午後8時までしかやっていないという、大変に間口が狭い居酒屋だが、予約のお客と常連で毎日ぎっしり席が埋まる人気店。
その理由は圧倒的なコストパフォーマンスで、活けの刺身類が400円台から、魚介類の天ぷらが300円台からという大衆居酒屋並のお値段でありながら、分厚い切り身が並んだヨコワの刺身はトロのように脂が載っており、軽く締められた脂ノリノリの「きずし」は1cm厚の巨大な切り身が6本並び、しかもたっぷり盛られた本物のワサビが添えられている贅沢さ。
しかも、殻に身がぎっしり詰まった生牡蠣が1個130円、あっさりとした味付けのプチプチイクラがどんぶりを埋め尽くすイクラ丼が880円m甘みたっぷりで苦味一切なしの美しいウニがひと舟分まるまる乗ったウニ丼が2000円以下とは、明らかに採算がおかしいレベル。ご飯もウニやイクラが邪魔に思えるほど美味しい。
調理ものも当然バッチリで、1本分まるまる揚げられた穴子の天ぷらは肉厚でフワフワ、皿にドッサリのゲソ天はレアな火通しで驚くほど柔らかい。牛肉のタタキは見事な霜降りの和牛がおごられ、自家製の銀ダラ西京焼きは甘さを抑えた味付けと濃厚な脂が日本酒とバッチリ合って止まらない。地味な焼きおにぎりだって、中フワフワ外カリカリのビッグサイズ2個でたったの300円である。
冬瓜のしらすあんかけやハモとキュウリの酢の物、がんもどきの煮物、白和え、大ぶりで素朴な焼き野菜などはどれも200〜300円台という小鉢値段なのに、意匠に凝った美しい中皿や深鉢に盛られたファミリーサイズで出て来て、そこに紅葉型の生麩や絹さやといったあしらいまで丁寧に添えられているのだから開いた口が塞がらない。なおかつ酒の方も極めて良心的で、ビール大瓶が500円、燗酒や焼酎ワンショットが300円、旬のうすにごりなどの地酒が300円台から楽しめ、酒器もまた凝った意匠で出されるるなど、欠点が全く存在しない奇跡のようなお店である。
(13/04/19 更新)
京阪電車守口市駅の南側、住宅街の中にあるカウンター7席と狭いテーブル1卓のみのこじんまりとした中華料理店。いかにも大衆中華な安っぽい店構えとは裏腹に、料理はどれも丁寧かつ上品で、どれも高級中華レベルという恐るべき店。
看板メニューの「中華定食」は、大ぶりのエビ天はサクサク。酢豚は甘くなく肉はカリッと野菜はシャッキリ、卵焼きはフワフワかつ中身が半熟なのに値段はたったの850円だから驚嘆する。ご飯ものに付いているスープでさえ手抜き無く、鶏ガラの自然な旨味で調味料はほとんど感じさせない完成度が見事。
最も驚いたのはイカの天ぷらで、真っ白な衣の中にはミディアムに火を通した肉厚のイカが入っていて、中華街レベルのクォリティに驚嘆する。たった520円のラーメンは、あっさり滋味深い鶏ガラスープにプリッとした生麺、豚バラ肉をローストしたチャーシュー、甘く味付けしたメンマ、ゴマ油であえたもやしと、大衆中華ではあり得ない格の高い仕事っぷりで圧倒される。
肉野菜炒めは大衆的なソース味なのにあくまで上品な味わい。ニラレバはプリプリのレバーにシャッキリ炒められた細もやしがテクニックを際立たせている。ナスの味噌炒めはトロトロのナスにショウガが効いたひき肉餡が絡み、エビチリはプリッとしたエビに上品なチリソースがたっぷり。回鍋肉はパリッとしたキャベツと濃厚な味噌でご飯とビールが進む。鶏のから揚げはほんのり甘辛くあくまでクリスピー。
羽根がついた餃子は、ショウガの香りとキャベツの甘味が際立つトロトロの餡が絶妙、チャーハン(中サイズ550円)はハム、ネギ、卵で何の変哲も無いが、フワッと軽くていくらでも食べられそう。カレーラーメン(700円)は、濃厚なカレースープと炒め野菜、ひき肉でインパクト満点。チャンポン(650円)はとろみ強めの醤油餡で体が暖まる。
中華カツ丼は、ラードでカラッと揚げた薄手のとんかつは衣と一体化しており、あっさりと滋味深い野菜と玉子の餡とのコンビが絶妙、しかも値段はたったの600円。天津飯(550円)はふわふわの卵に醤油餡でインパクト強めにしているのが心憎い。しょうゆ焼きそば(580円)は、上海風にコクのある醤油味とシャキッと炒められた野菜のコンビネーションがバッチリでビールに合う。
(21/05/14 更新)
千林商店街から南へ伸びる森小路京かい道商店街沿いに佇む、創業50年を超えるお好み焼きの老舗。土曜日の営業中は地元のお客さんで5卓のテーブルが常時満席の人気で、開店20分前には並んでおくのがベター。
一品料理はメニューに無く、粉モンオンリーの潔さ。お好み焼きは豚玉が700円からで、豚、イカ、エビ、牡蠣(冬季のみ)のオプションがあり、モダン焼き、ネギ焼きは100円アップ。焼きそばはイカと豚が入って650円と激安。アルコールはビールのみで、大瓶が650円。卓上には青のり、花がつお、一味唐辛子があって自由に使用可能。
お好み焼きは、ワンオペの女将さんが各テーブルの鉄板でスプーンで空気をしっかり含ませてから焼いてくれる。サイズは直径20cm以上でボリューム満点。山芋が入った生地は強めの火で香ばしく焼かれ、外側サクサク、中はふんわり、出汁の旨味と粗みじん切りにされたキャベツの甘みのバランスが見事。表面には豚バラ肉が隙間なく敷きつめられ、イカは身の部分が使われ厚みがあり、エビは大きくプリプリ。
ねぎ焼きは、青ネギのトロリとした食感と熱した香りがプラス、醤油とマヨネーズをかけると違った味わいでビールが進む。焼きそばは豚とイカ、キャベツが具で、そばもごく普通でありきたりだけど焼き加減とソースのバランスが良くてストレートに美味しい。モダンはしっかり目に焼かれたそばが半玉ほど入り、ザクッとした歯ごたえが増して食べごたえがさらにアップする。
(24/08/16 更新)
JR阪和線南田辺駅を出てすぐのところにある、大阪を代表する居酒屋の名店。開店から8時ぐらいまではほぼ予約客で毎日満員、それ以降になるとフリでも入れるようだが、ある程度の品切れは覚悟しないといけない。
まず席に座ると、お通しではないが小鉢(350円)が進められる。これはいわゆる炊合せで、鱧の子、いたや貝、ナス、たらこなど毎回4種類ぐらいが盛られており、甘めの出汁の香り高さはもちろん、溶けるぐらいに柔らかいのにエッジをピンと立たせたかぼちゃ煮付けの技に感嘆する。名物の「さばからまぶし」はサバのきずしをおからでまぶした品で、想像よりも上品な味わいで顔がほころぶ。
旨味が濃厚なマグロ、きちんと熟成された鯛など刺し身も大変吟味されており、ゆず皮がかけられた小芋煮の香り、絶妙な火の通しのアサリの酒蒸し、淡白な中にも深みを感じる鶏団子、みょうがと紅たでのピリッとした辛味がアクセントの鯛酢の物、シャッキリとしたワケギと新鮮なイカを使ったぬたなど、どれも確かな技を感じる品ばかり。動物系は練り物だけという何のへんてつもないおでんも上品かつ深い。それでいて、煮物は200円台から、刺し身盛り合わせが700円、松茸がたっぷり入った上品な味の土瓶蒸しが600円、松茸だけが入った香り高い松茸ご飯が400円という立ち飲み程度の価格なのだから二度驚かされる。
繊細さだけでなく豪快系の品にも目を見張るものがあり、皮がパリパリになるほど強く焼かれた脂が香ばしいウナギ白焼き、焦げた玉ねぎの甘さと辛めのタレのコントラストが抜群の焼き鳥、ふっくらと焼かれた臭みの無い鶏肝、洋食屋顔負けのブリブリのエビフライ、醤油味の衣にふんわり包まれた鶏のから揚げ等、ビール派にも満足できる品が揃っている。
(15/11/27 更新)
第1ビルにある上田酒店と同じく、酒屋が経営する角打ちの立ち飲みだが、あちらが典型的な庶民派だとすれば、こちらはぐっと雰囲気的にも内容的にも本格派の酒場である。
ここの特徴は何より日本酒や焼酎のラインアップにあり、醸し人九平次、秋鹿、松ノ司、八海山、そして越乃寒梅といった名だたる銘酒や、伊佐美や魔王といった市場ではプレミアム価格が付けられている焼酎が、ほぼ一律500〜600円で飲めてしまうところが凄い。そして、店の裏で腰の曲がったお母さんが作るアテも酒の格に負けない質を誇っており、100円と150円のおでんは香り高いダシと酒の旨みに満ちており、大和芋を使ったマグロの山かけ、桜海老と若布のおろし和えといったセンスの良い品も揃っている。さらに嬉しいのはガッツリ派にも行けるアテも格安で揃えていることで、結構ボリュームがあるカラリと揚がった鶏のから揚げや、刻みイカが入った巨大なかき揚げ、干し海老としいたけの旨みが絶品のそうめんなんかも一品たったの300円である。
短冊に書かれた日本酒の種類だけでも十分おなかいっぱいだが、それ以外にも多数の銘柄が揃っているようなので、日本酒好きの方は店の人に聞いてみるといいかも。
(09/07/01 更新)